AI技術活用し農薬開発 モンサントとアトムワイズが提携2017年6月28日
米国のモンサントと有望な化合物分子発見に用いるAI(人工知能)システムを開発しているアトムワイズは、作物保護(農薬)製品の発見・開発スピードと可能性を高める目的で提携し、共同研究を立ち上げたと発表した。
今回の共同研究について、これまでAIを活用して新薬や新しい農業用化合物の発見を支援してきているアトムワイズの最高経営責任者であるアブラハム・ハイフェッツ博士は「人工知能を武器に致死性の疾患と闘ってきたが、私たちが学んだすべてを使い、その知識を食料供給を妨げる破壊的な害虫・病害との闘いに活かす」と述べた。
この共同研究では、アトムワイズが開発したAtomNetテクノロジーで、強力なディープ・ラーニング・アルゴリズムとスーパーコンピュータを駆使して何百万の分子を分析し、作物保護(農薬)製品につながる可能性のある分子を見つけ出していくことにしている。
これは、従来の試行錯誤や消去プロセスを使って何万もの分子を分析するのとはことなり、さまざまな分子がどのように相互作用するかを分析して、分子レベルでの発見の第一段階を効率化しようというものだ。
AtomNetは、ディープ・ラーニングを用いて、どの分子が病気や害虫の防除に効果を持つ可能性があるかを予測し、分子レベルでの発見のプロセスを加速させる。AIが画像認識を学習するのと似た方法でパターンを特定することで、ソフトウェア自体が分子の相互作用について自己学習するという。
モンサントの農業生産性イノベーション責任者であるジェレミー・ウィリアムズ氏は「平均的な作物保護(農薬)製品を商品化するには最大11年、2億5000万ドル以上の時間と費用がかかる」としたうえで、「この共同研究は、必要とされる作物保護(農薬)ソリューションを迅速に生産者に届けるのに大いに役立つと期待」していると述べている。
そして「アトムワイズには最先端のAIシステムがあり、モンサントには実環境での検証を応用する能力がある。両社を組合わせることで、山積みする環境課題に対して、収穫の改善、作物保護、社会への供給増に取組む生産者を支援する技術を開発することができる」とも述べている。
この共同研究からどのような農業生産を効率化し、収穫量を向上させることができるどのような製品が誕生してくるのか、期待して待ちたい。
(関連記事)
・モンサント株主 バイエルとの合併承認 (16.12.21)
・バイエルのモンサント買収に新展開 (16.09.20)
・1株127.50USドルを提案 モンサント買収でバイエルが (16.09.08)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(130)-改正食料・農業・農村基本法(16)-2025年2月22日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(47)【防除学習帖】第286回2025年2月22日
-
農薬の正しい使い方(20)【今さら聞けない営農情報】第286回2025年2月22日
-
全76レシピ『JA全農さんと考えた 地味弁』宝島社から25日発売2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2025年2月21日
-
農林中金 新理事長に北林氏 4月1日新体制2025年2月21日
-
大分いちご果実品評会・即売会開催 大分県いちご販売強化対策協議会2025年2月21日
-
大分県内の大型量販店で「甘太くんロードショー」開催 JAおおいた2025年2月21日
-
JAいわて平泉産「いちごフェア」を開催 みのるダイニング2025年2月21日
-
JA新いわて産「寒じめほうれんそう」予約受付中 JAタウン「いわて純情セレクト」2025年2月21日
-
「あきたフレッシュ大使」募集中! あきた園芸戦略対策協議会2025年2月21日
-
「eat AKITA プロジェクト」キックオフイベントを開催 JA全農あきた2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付、6月26日付)2025年2月21日
-
農業の構造改革に貢献できる組織に 江藤農相が農中に期待2025年2月21日
-
米の過去最高値 目詰まりの証左 米自体は間違いなくある 江藤農相2025年2月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】有明海漁業の危機~既存漁家の排除ありき2025年2月21日
-
村・町に続く中小都市そして大都市の過疎(?)化【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第329回2025年2月21日
-
(423)訪日外国人の行動とコメ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年2月21日
-
【次期酪肉近論議】畜産部会、飼料自給へ 課題噴出戸数減で経営安定対策も不十分2025年2月21日
-
「消えた米21万トン」どこに フリマへの出品も物議 備蓄米放出で米価は2025年2月21日