全農と三菱商事が農薬で合弁会社設立2017年9月15日
JA全農と三菱商事(株)は、農薬の登録・製造・販売のための合弁会社を10月に設立することに合意し、来年度から営業を開始する。14日に発表した。
新会社の社名は「Z-MCクロッププロテクション株式会社(仮称)」でJA全農と三菱商事が各々50%を出資する。
JA全農では、農薬のコスト引下げに向けて、保有する農薬原体の海外および非農耕地への拡販を通じた需要拡大や、国内におけるジェネリック農薬(後発薬)開発促進を行う必要があると考え、農薬原体の海外製造・輸出入・登録業務の新たな仕組み作りを検討してきてきた。
一方、三菱商事は世界的な人口増加に伴い拡大する食料・農業資材需要に応えるために、インドや中国における農薬の受託製造事業や国内外における販売事業に取り組ん
できているが、さらなる事業領域の拡大を目指してきている。
そうしたことから両者は、JA全農の強みである「研究開発機能」や「登録機能」と、三菱商事の強みである「製造機能」や「海外ネットワーク」の相乗効果を発揮できる新会社の設立に合意したという。
この新会社は、JA全農の保有する農薬原体を中心に登録と製造を担い、海外および国内非農耕地向けに原体・製剤の拡販を目指す。また、農薬の価格低減に繋がる可能性のあるジェネリック農薬の調達を進め、2021年を目処に100億円の事業規模を目指していくことにしている。
「ジェネリック農薬の調達」について、全農肥料農薬部は、「調達」には、自ら商品を開発・製造することと、既存の海外開発商品を仕入れて販売する、という2つの意味を含むが、日本での製造はコスト的に難しいので、三菱商事のネットワーク(協力工場)の力を借りることになると言う。
また、三菱商事の情報収集力も活用し、ジェネリック農薬の海外の原体ソースの探索(調査)が可能なことも、新会社の強みの一つだと考えている。
【新会社の概要】
名称:Z-MCクロッププロテクション株式会社(仮称)
設立時期:2017年10月登記(予定)
事業内容:農薬原体の登録、製造、販売および輸出入
出資金:5.6億円
出資比率:JA全農50%、三菱商事50%
(関連記事)
・ 直販事業拡大へ「営業開発部」を新設-JA全農(17.08.29)
・ 全農グループ事業収益6兆円超(17.08.07)
・ 米の買取販売30万t超-JA全農(17.08.04)
・合弁会社設立しインド での農薬事業を拡大 三井化学アグロ(16.06.01)
・農薬の受託製造事業を拡大 三菱商事(09.08.27)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(130)-改正食料・農業・農村基本法(16)-2025年2月22日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(47)【防除学習帖】第286回2025年2月22日
-
農薬の正しい使い方(20)【今さら聞けない営農情報】第286回2025年2月22日
-
全76レシピ『JA全農さんと考えた 地味弁』宝島社から25日発売2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2025年2月21日
-
農林中金 新理事長に北林氏 4月1日新体制2025年2月21日
-
大分いちご果実品評会・即売会開催 大分県いちご販売強化対策協議会2025年2月21日
-
大分県内の大型量販店で「甘太くんロードショー」開催 JAおおいた2025年2月21日
-
JAいわて平泉産「いちごフェア」を開催 みのるダイニング2025年2月21日
-
JA新いわて産「寒じめほうれんそう」予約受付中 JAタウン「いわて純情セレクト」2025年2月21日
-
「あきたフレッシュ大使」募集中! あきた園芸戦略対策協議会2025年2月21日
-
「eat AKITA プロジェクト」キックオフイベントを開催 JA全農あきた2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付、6月26日付)2025年2月21日
-
農業の構造改革に貢献できる組織に 江藤農相が農中に期待2025年2月21日
-
米の過去最高値 目詰まりの証左 米自体は間違いなくある 江藤農相2025年2月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】有明海漁業の危機~既存漁家の排除ありき2025年2月21日
-
村・町に続く中小都市そして大都市の過疎(?)化【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第329回2025年2月21日
-
(423)訪日外国人の行動とコメ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年2月21日
-
【次期酪肉近論議】畜産部会、飼料自給へ 課題噴出戸数減で経営安定対策も不十分2025年2月21日
-
「消えた米21万トン」どこに フリマへの出品も物議 備蓄米放出で米価は2025年2月21日