直販事業拡大へ「営業開発部」を新設-JA全農2017年8月29日
JA全農は9月1日に新たな営業拠点として営業開発部を設置する。実需者への直販事業を拡大するため、全農の販売事業と全農グループ販売6社の機能を融合し、全農のバリューチェーンを構築するのが目的だ。
JA全農は農業者の所得増大に向けた自己改革の取り組み計画(農林水産業・地域の活力創造プランに係る本会の対応)のなかで、実需者への直販事業の拡大を柱とし、平成36年度に主食用米の90%、園芸では取扱金額5500億円をめざすなどの目標を掲げている。営業開発部はこうした直販事業を拡大するために新規取引先の開拓や既存の取引先の取り扱い品目の拡大などを支援する。
JA全農はこれまで量販店や生協との取り引きは広げてきたが、今後はコンビニエンスストア、外食、中食、ネット通販、ドラッグストアなどにも直販を進める。
その際、取引先のニーズを把握して、米、青果、畜産物など幅広く品目を売り込む。そのため取引先ごとに品目横断的にチームを編成したり、あるいは米穀事業部門の担当者が青果部門の知識も習得して営業活動を行うなど、マーケットイン型事業を展開する。
元イトーヨーカ堂社長でチーフオフィサーの戸井和久氏が「司令塔」となり18人でスタート。営業企画課、精米営業課、青果営業課の3課を設置する。営業企画課は品目横断的営業企画や全農コーポレートブランドの構築などを担う。
また、販売チャネルを拡大するなかで、新たにeコマース戦略の構築や、物流合理化のためのロジスティック戦略の構築も行う。
さらに販売情報、取引先情報、産地情報をバイヤーと産地で共有するなかで、JA役職員に対する販売事業、産地づくりなどの相談機能も発揮し、JAグループ全体のマーケティング力向上に貢献することもめざす。
同部はコープビル9階に設置される。テストキッチン的な機能も備える予定で「JAグループの農畜産物をどうコラボさせ、どう新たな商品を開発していくかも商品設計も行いたい」(JA全農)としている。
全農グループ販売6社は全国農協食品(株)、全農パールライス(株)、JA全農青果センター(株)、JA全農たまご(株)、JA全農ミートフーズ、全農チキンフーズ(株)。
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