「グローバル化に対応するIPM」でシンポ 第32回報農会シンポジウム2017年9月19日
(公財)報農会(田付貞洋理事長)は9月13日、都内北区の「北とぴあ」つつじホールで、第32回報農会シンポジウム「植物保護ハイビジョン―2017」を開催した。今回のテーマは「加速するグローバル化に対応するIPMの進展」で、試験研究機関や大学、農薬企業などから約250名が参集した。
冒頭、田付理事長は、農業を取り巻く環境が気候変化やグローバル化などにより激変しており、植物保護においても新たな方向を目指していく必要性があると強調。「近年は行政や研究、企業などの連携によって実践的なIPMが構築されつつあり、生産現場によっては、IPMが植物保護の切り札となる場面もでてきている。このシンポジウムが、"農"に"報"いることを念願する」とあいさつした。
まず、農林水産省消費・安全局農産安全管理課農薬対策室の古畑徹室長が登壇。「農薬取締行政の改革について」と題し、国際調和、国際標準を踏まえた農薬規制のあり方に関し、農薬の開発、登録、製造、販売、使用それぞれについて現行制度の課題と今後の改革の方向性を詳述した。
(写真)あいさつをする田付貞洋(公財)報農会理事長
IPMの普及状況や最新の研究成果については以下の4題。
▽「海外での病害虫発生と生物農薬の使用・IPMの現場について」平田秀嗣氏(三井物産株式会社アグリサイエンス事業部)
▽「侵入害虫クビアカツヤカミキリの被害状況と防除対策」加賀谷悦子氏(森林研究・整備機構 森林総合研究所)
▽「アミノ酸による作物の病害抵抗性誘導」瀬尾茂美氏(農研機構 生物機能利用研究部門)
▽「Bacillus 属等微生物を用いた病害防除とその展望」吉田重信氏(農研機構 中央農業研究センター)。
シンポジウム終了後、第32回功労賞を受賞した3氏の表彰式と祝賀会が行われた。受賞者と主な業績は以下の通り。
▽今井國貴氏(兵庫県病害虫防除所):
タマネギの重要害虫ネギアザミウマの発生予察調査基準の確立、稲縞葉枯病の防除技術、イマイツツハナバチなど有用動物の利用技術
▽竹谷宏二氏(石川県農業総合研究センター):
ダイコンの亀裂褐変症の原因究明と防除、メロン褐斑細菌病や褐色米の発生生態の解明と防除
▽与儀喜雄氏(沖縄県農林水産部):
ウリミバエの根絶防除事業、ミカンコミバエの根絶防除事業
(写真左から)田付貞洋理事長、今井氏(代理:兵庫県・農業技術センターの神頭氏)、竹谷氏、与儀氏
(関連記事)
・「変わる農業が抱える諸課題に挑む」テーマに シンポジウム「植物保護ハイビジョン-2016」開催 報農会(16.09.15)
・後継者不足と関連する諸問題テーマに 報農会がシンポジウム(16.07.05)
・岩手・群馬・兵庫の農業大学生へ 「農家子弟へ奨学金」 (公財)報農会(16.02.08)
・9月16日に第30回報農会シンポジウム(15.08.21)
・植物防疫に貢献、3人の研究者を表彰 報農会(13.09.27)
重要な記事
最新の記事
-
【現地レポート】「共同利用施設」が支える地域農業とこの国の食料 JA秋田おばこ六郷CE(2)2025年3月28日
-
農協の組合員数1021万人 前年度比0.6%減 2023事業年度 農水省2025年3月28日
-
農業構造転換 別枠予算の確保を 自民党が決議2025年3月28日
-
(428)「春先は引越しの時期」?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年3月28日
-
大関と共同開発「ニッポンエール レモンにごり酒300ml瓶詰」新発売 JA全農2025年3月28日
-
愛媛県の林野火災被災者に共済金など早期支払い JA共済連2025年3月28日
-
県内最大級のねぎイベント! 「大分ねぎまつり2025」を開催 JA全農おおいた2025年3月28日
-
「好きがみつかるスポーツテスト」特設サイトをリニューアル 体力測定結果なしに診断 JA共済連2025年3月28日
-
毎月29日は「いい肉の日」限定セール開催 約360商品が特別価格 JAタウン2025年3月28日
-
粘り強く贈答品にも 天候によって形状が変わる「相模原のやまといも」 JA相模原市2025年3月28日
-
土浦れんこんカレー 県産れんこんと豚肉がゴロッと JA水郷つくば2025年3月28日
-
夏も冷涼な気候生かし 完熟ミニトマトで100%ジュース JA新いわて2025年3月28日
-
【中酪25年度事業計画】生乳需給変動対策に参加、離農加速受託戸数9600台も2025年3月28日
-
太陽光発電設備・蓄電池設備を活用 JA帯広大正で再エネ導入2025年3月28日
-
JA三井リース Frontier Innovations1号投資事業有限責任組合へ出資2025年3月28日
-
ウェブコンテンツ「社会のニーズに対応したソリューション」を公開 日本農薬2025年3月28日
-
【組織改定・人事異動】デンカ(4月1日付)2025年3月28日
-
日本農学大会 4月5日に東京大学弥生講堂とオンライン配信 日本農学会2025年3月28日
-
茨城大 グリーンバイオテクノロジー研究センターを4月に開設 微生物研究で気候変動緩和・環境保全目指す2025年3月28日
-
冷凍技術とサプライチェーン強化で本格寿司を世界へ 農水省補助事業者に採択 デイブレイク2025年3月28日