TPPで養液栽培関連プラントの市場拡大 富士経済調べ2016年5月13日
(株)富士経済は5月12日、TPPを契機に政府が成長産業化を目指している国内アグリビジネス関連市場についての調査報告書「アグリビジネスの現状と将来展望2016」をまとめ、養液栽培関連プラントの4品目、養液・施設栽培関連機器・資材の7品目、ICT農業・流通関連システムの3品目の国内市場を分析した。
◆次世代市場 74%増
同社は政府の支援事業などの後押しもあり「次世代施設園芸関連国内市場」が今後拡大すると予測し注目市場として取り上げている。2015年は151億円の市場が、2020年には74%増の263億円となることを見込んでいる。
主な栽培の目的は外販や自社グループ店舗での販売、自社原料などとなっている。大規露地栽培の他、近年は植物工場での葉菜類生産、単価の高いイチゴなどの栽培による差別化などに注目があつまっている。また農作物の栽培だけにとどまらず、加工や流通との連携を意識した企業の取組みが増加している。
調査した市場は植物工場などの養液栽培関連プラント、環境制御装置、灌水/給液管理装置、植物育成用光源、炭酸ガス発生装置、固形培地(水稲育苗用除く)、環境モニタリングシステム、生産管理クラウドサービス。
◆2017年から市場拡大
アグリビジネス関連市場の2015年は、ガラス/フィルムハウスなどが伸長したが、植物工場と栽培用空調機器のヒートポンプが大きく落ち込み、前年比4.7%減の550億円となった。2016年は植物工場が受注回復のため伸びるが、ガラス/フィルムハウスやハウス関連施設が落ち込み、ヒートポンプも低迷が続くため養液・施設栽培関連機器・資材が大幅減となりマイナス成長が続くとみられている。しかしTPPによって、国内農業は低コスト化や付加価値向上の対策が迫られ、各省庁の補助事業による大規模栽培施設の設立やICTの活用などが期待され、2017年以降は拡大に向かうと予想している。
養液栽培関連プラントは2015年の(株)みらいの経営破たんの影響などにより植物工場が落ち込んだ。しかし企業による農業ビジネスへの参入が意欲的で、2016年には需要は上向くと同社は分析している。また固形培地栽培プラントは大規模施設の増加などにより2016年以降も穏やかに拡大していくとみている。
養液・施設栽培関連機器・資材は2015年の「次世代施設園芸導入加速化支援事業」や2014年の関東地方の雪害からの復興特需によりガラス/フィルムハウスなどが伸長した。一方で植物育成用光源が植物工場の新設減少などにより落ち込み、ヒートポンプも石油製品価格の下落に伴うコストメリットの低下などで落ち込んだため、同比4.2%減の453億円となった。
ICT農業・流通関連システムのうち環境モニタリングシステムは、2014年から2015年にかけて複数メーカーの新規参入によりサービスの充実や比較的安価な装置などが発売され選択肢が広がっており、同比33.3%増の4億円となった。今後は小規模農場の集約化が進み大規模農場が主なユーザーとなる同システムが市場拡大するとみている。
その他、生産管理・販売/物流管理クラウドサービスは、生産管理に関してスマートフォンやタブレット端末対応がすすみ利便性が向上。そのため、農業法人などを中心に導入されつつある。低温貯蔵システムは市場が成熟しているが、CA貯蔵システムは農水省の「産地パワーアップ事業」の支援対象に上げられており、需要拡大が期待される。またCA貯蔵システムの冷媒ガスのフロン22が2020年までに全廃目標となっていることから、その置き換え需要で市場拡大が続くを見られている。
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