【TPP】交渉結果は総合的に判断ー「聖域ゼロ」に反論-政府・自民2016年4月22日
4月19日の衆院TPP特別委員会で森山農相が重要5品目の合意内容について、関税率などに変更を加えていないものはないと答弁したことに対し、民進党は「聖域ゼロではないか」と批判を高めているが、農林水産省は22日の自民党の会合で、自民議員に「関税に変更を加えなかったかだけでなく、総合的判断をすべき」など森山農相の答弁について説明した。
重要5品目のタリフライン(品目の形態や輸入方法による細目)は459ラインある。このうちTPP合意で170ラインは関税撤廃したが、424ラインは関税撤廃の例外を確保したと政府は説明している。
農水省によると424ラインのうち、▽変更を加えなかったもの=155、▽関税割当を設定=158、▽関税削減(撤廃はせず)=95、▽関税維持や関税割当設定などの組み合わせ=16だという。
米については玄米、精米など17品目があるが(1)国家貿易で輸入するものを17ライン、(2)国家貿易以外で輸入する17ラインの合計34ラインという数え方をする。つまり、「精米」という品目でもタリフラインとしては(1)と(2)を合わせて2ラインとなる。
交渉では(1)国家貿易の仕組みを守り、(2)国家貿易以外で輸入するものは枠外税率として現行の1kg341円を維持した。
ただし、国家貿易の仕組みは維持したものの、(1)の部分にSBS方式による米国・豪州枠の新設を認めた。米国・豪州産合わせて協定発効から13年目以降は7.84万tの枠となる。民間貿易で輸入義務はないが、枠内税率はゼロだ。つまり、タリフラインに着目すれば「精米」も変更を加えたということになる。しかし、農水省は、米は「変更を加えなかったもの」の1つとしている。
また、この合意については、高い枠外税率を払って輸入される米は年間100~200t程度で安価な輸入品の無秩序な流入を防止していると説明する。また、米国枠・豪州枠での輸入があっても、輸入量に相当する国産米を政府が備蓄米として買い入れ需給と価格に与える影響を遮断すると説明している。
重要5品目のうち、関税撤廃した170ラインは(1)キャッサバ芋、非処理ヨーグルトなど輸入実績が少ないもの。(2)牛タン(国産は3%)、ビーフンなど国産農産品との代替性が低いもの、(3)繁殖用母豚など、関税撤廃がかえって生産者のメリットとなるものの3つの基準で国内生産への影響が少ないものに限定して判断したと説明する。
そのうえで「関税に変更を加えなかったかどうかを判断するのではなく、全体として影響がでない措置をしており、守られたものが1つもないという主張はあたらない」と反論している。
会合では出席議員から「国内農業を守ったかどうかが問題だ」、「国会決議を守ったかどうかだ」などの意見のほか、「若手が安心できるような説明が必要だ」など生産現場が納得できる説明を求める声も出た。
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