トマトのリコピンが、LDLコレステロール減少に効果 タキイ種苗2020年3月18日
タキイ種苗は、リコピンが血中(LDL)コレステロールの減少に効果を示すことをトマトの継続摂取による臨床試験で実証した。
リコピンは、トマトやスイカなど多くの野菜、果物に含まれる赤い色素。リコピンの効果については、トマトジュースなど加工品で数例の報告があったが、生鮮食品での臨床試験は日々の食生活の影響を受けることなどから、実施・解析が困難といわれていたが、今回、セミドライトマトを用いることで、トマトに含まれるリコピンの効果を実証することに成功した。
タキイ種苗は、平成28年度革新的技術開発・緊急展開事業の地域戦略プロジェクトに採択され、農研機構生研支援センターの支援を受け「健康の維持増進に有用な機能性強化野菜の栽培実証と機能性表示食品の開発」にこれまで取り組んできた。
今回の臨床試験はその一環で、健康情報科学研究センターの協力を得て、同社の品種である高抗酸化能トマト「PR-7」を用いて効果の実証を行った。
対象は、LDL-Cが120 mg/dl以上160 mg/dl未満の30歳以上70歳未満の日本人男女で、試験責任医師が適格であると認めた100人。高抗酸化能トマト「PR-7」とリコピンフリートマトを各50人が、1日1袋(50g)を12週間毎日、調理などせず、そのまま摂取した。
摂取開始日、摂取4週後、摂取8週後、摂取12週後の計4つの測定時点における摂取開始前からの血中コレステロールの変化量について、摂取群毎に平均値と標準偏差を算出した結果、リコピンは、高抗酸化能トマト「PR-7」は、摂取12週後で有意に低下した。
臨床試験を実施・監修した、北海道情報大学医療情報学部の西平順教授は「リコピンのコレステロール改善効果については今までにも報告があったが、今回の臨床試験では、試験参加者に生鮮に近いトマトを食べてもらい、リコピンの効果を実証することができた。今回の試験を参考にして、今後、機能性野菜の研究が推進することを期待している」と話している。
今回、臨床試験で用いられたトマト(品種名:PR-7)は、リコピンだけでなくグルタミン酸も豊富に含む中玉トマト。生食だけでなく調理することで旨みをより一層感じられる。リコピンの機能性表示食品として「サラダボウルのごちそうトマト(ファイトリッチ)」の商品名で首都圏の量販店で販売されている。
写真=リコピンの機能性表示食品として販売されている「サラダボウルのごちそうトマト(ファイトリッチ)」
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