主力の農薬事業が、国内で病害虫の発生が少なかったことに加えて、東日本大震災や原発事故の影響で水稲の作付面積が減ったことなどから前年並みの出荷実績となったが、そのほか医薬品事業などが伸びたため、売上高は404億5000万円で前年同期比0.1%増とほぼ前年並みだった。
利益面では、同社が開発し権利を持つ製品・技術等の使用料(ロイヤリティ)が、前年の6億4000万円から倍増の13億2000万円となったことなどから、大幅に増加。営業利益は35億3900万円で同11.3%増、経常利益は33億3400万円で同12.9%増、当期純利益は21億7800万円で同35.4%増、1株あたり当期純利益は32.52円となった。
農薬事業は売上高が358億1100万円、営業利益が27億4000万円。製品別では、園芸用殺虫剤が好調で、昨年末に発売した、新規化合物ピリフルキナゾンを有効成分とした園芸用殺虫剤「コルト」が計画を上回る売り上げだったほか、国内外で「フェニックス」の普及が進んだ。
次年度は、震災や原発事故の影響や円高が長引くとの予想から、今期決算に比べて減収減益となる見込み。売上高は395億円、営業利益は26億円、経常利益は26億円、当期純利益は16億円を見込んでいる。
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