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【アグロ カネショウ】
結城事業所開設で業績回復ねらう  アグロ カネショウ23年12月期決算

 アグロ カネショウは2月10日、平成23年12月期決算を発表した。福島第一原発事故による福島工場の操業停止で一部商品の供給ができなくなったことなどが原因で、前年比で大きく減収減益となった。

22年春に上市された線虫防除剤「ネマキック粒剤」5kg 売上高は113億1000万円で前年比17億円(12.5%)減、営業利益は10億9600万円で同2億8000万円(20.2%)減、経常利益は10億3900万円で同1億8000万円(14.9%)減、当期純損失は2億7600万円(前年は純利益8億7400万円)、1株あたりの当期純損失は22.84円(前年は純利益142.79円)だった。
 同社の生産拠点だった福島工場(福島県双葉郡大熊町)が東電福島第一原発から半径1kmほどの距離にあり、立ち入り禁止区域に指定されたため操業停止となり、主力商品の「カネマイト」などの生産と在庫の出荷ができなくなった。このため、売上高、利益面ともに大きく落ち込んだ。
 しかし新たな生産拠点として、昨年末に閉鎖となったバイエルクロップサイエンス社の結城中央研究所(茨城県結城市)を譲り受け、同所内に新工場を建設し製品の安定供給体制の回復をめざすほか、同所に研究部門を移転し、新薬開発などでもスピードアップを図る考えだ。薬剤では、「バスアミド微粒剤」、「D-D」、「ネマキック粒剤」といった土壌消毒剤の販売拡充に注力していく。
 これにより24年12月期の業績は、売上高124億円、営業利益11億6400万円、経常利益11億8900万円、当期純利益8億2800万円と、22年実績にまで回復させる計画だ。

(写真)
22年春に上市された線虫防除剤「ネマキック粒剤」5kg


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