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【住友化学】
住友化学、営業利益3割減 農業関連事業は好調

 住友化学は5月10日、平成24年3月期決算を発表した。売上高、利益面ともに前年を下回ったが、健康・農業関連事業だけは売上高、利益面ともに前期より増加となった。

 全体の売上高は1兆9479億円で前期より346億円(1.7%)減、営業利益は607億円で同273億円(31%)減、経常利益は507億円で同334億円(40%)減、当期純利益は56億円で同188億円(77%)減だった。1株あたりの当期純利益は同11円44銭減で3円42銭だった。
 同社は売上高、利益面ともに大きく落ち込んだ要因として、原料価格の高騰と昨秋以降のアジアでの需要減少を挙げている。
 主要の5事業部門の中で、売上高、営業利益ともに前年を上回ったのは健康・農業関連事業だけだった。同部門の売上高は2641億円で同133億円増、営業利益は265億円で同32億円増だった。
 事業が好調だったのは、飼料添加物「メチオニン」の販売が拡大したこと、海外で畑作用除草剤フルミオキサジン(国内での商品名「スミソーヤ」)の出荷が好調だったことが主な要因。
22年に発売した「スタウトダントツ箱粒剤」 「メチオニン」はアミノ酸の一種で、鶏肉・鶏卵の品質向上のため添加される。同社は世界的にも高まる需要に対応して、22年2月に愛媛工場の生産ラインを増強した。
 このほか、国内では水稲用いもち病防除剤「スタウト」、水稲用初・中期一発処理型除草剤「ゼータワン」「メガゼータ」、園芸用殺虫剤「ディアナ」など22〜23年に上市した剤の販売がのきなみ好調だったことや、震災の影響で22年度に予定されていた出荷が23年度に延びたことも、同部門が好調だった要因。
 次期の業績見通しとして、為替相場が1ドル82.50円、ナフサ価格が1klあたり6万5000円との想定のもと、売上高が今期比15%増の2兆2300億円、営業利益900億円、経常利益950億円を見込んでいる。健康・農業関連事業部門は売上高2900億円、営業利益340億円の見込み。

(写真)
22年に発売した「スタウトダントツ箱粒剤」

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