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【日産化学工業】
農薬事業はほぼ前年並みだが全社では減収減益  日産化学

 日産化学工業は5月15日、平成24年3月期決算を発表した。機能性材料部門で大きく前年を下回るなど、医薬品部門以外の主な事業部門で前年を下回り、全体では減収減益となった。

 売上高は1485億7800万円で前年より56億3000万円(3.7%)減だった。営業利益は154億7700万円で同43億4000万円(21.9%)減、経常利益は158億7300万円で同34億9500万円(18%)減、当期純利益は109億7500万円で同19億7800万円(15.3%)減となった。1株あたりの当期純利益は64.52円。
 農業化学品部門は、売上高337億6700万円で同6億4000万円減、営業利益は44億4100万円で同3億8100万円減だったが、前年度に5億円ほどあった動物薬のライセンス一時金収入がなかったためで、それを除けば農薬事業としてはほぼ前年並みだった。
 好調だったのは、除草剤「ラウンドアップ」と輸出では殺菌剤チフルザミド(国内での商品名は「グレータム」、「イカルガ」など)など。また、2008年に発売した畑作・園芸用のべと病・疫病用殺菌剤「ライメイ」(アミスルブロム)も国内、輸出ともに好調だった。
 同部門の25年度の主な戦略としては、昨年末に韓国で発売した新規水稲用除草剤「NC-620」(原体名メタゾスルフロン)の国内販売をめざすほか、海外では23年9月に資本参加したブラジルの農薬製造・販売会社イハラブラス社を新たな拠点の一つとして研究開発を進めていく考えだ。
 同社では次期の見通しとして、為替レートを1ドル77円、ナフサ価格を1klあたり5万3000円と想定し、売上高1530億円、営業利益172億円と増収増益を見込んでいる。農業化学品事業部門でも、売上高346億円、営業利益42億円と増収増益を見込んでいる。


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