上半期の売上高は前年同期に比べて8.4%増の202億ユーロだった。営業利益(EBIT)は24億ユーロ(同1.4%減)だったが、これはヘルスケア事業での訴訟に備えたリスク引当金5億ユーロを含んでいるため。当期純利益は15億ユーロで同7.9%増、1株あたりの利益は同0.14ユーロ増えて1.87ユーロだった。
同社のマライン・デッカーズ社長は業績が好調だったことについて「農薬関連事業が大きく貢献した」としている。
ヘルスケア事業、素化学事業はともに前年同期を上回る売上高だったが、EBITはヘルスケア事業で同37.3%減、素化学事業で同23.6%減と落ち込んだ。一方、農薬関連事業はほぼすべての事業部で2桁の成長率を達成するなど好調で、売上高49億ユーロで同16.3%増、EBITは123億ユーロで同151%増と大きく増えた。好調の要因は「市況が良好で、特に農産物価格の高値が続いたため」としている。
同社では下半期も農薬関連事業とヘルスケア事業が好調を維持すると見込んでおり、為替環境によるプラス効果なども考慮して、通年の売上高・利益を上方修正した。特に農薬関連事業は、市場の成長を上回る成長を予測しており、2011年に比べて売上高で10%増、特別項目計上前EBITDAで20%増を見込んでいる。
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