現在、国内では、ピーマンなどトウガラシ類、キュウリ、スイカ、メロン、ショウガに限り、特例で臭化メチル剤の使用が認められているが、それも12月31日をもって全廃となる。
農研機構では、これら産地の自治体らと連携して、臭化メチル剤に頼らなくても、臭化メチル剤使用時に近い防除価・収量を確保するための栽培方法を研究してきた。
その研究成果をまとめたのが、この栽培マニュアルだ。産地・作物別に全8冊の分冊になっている。それぞれ26〜46ページで、臭化メチル剤を使わなくなったことで発生が予測される病害虫、クロルピクリンやヨーカヒュームなど臭化メチル剤に代わる土壌消毒剤の使い方のポイント、太陽光を利用した土壌消毒の方法、などを詳しく説明している。
また、特に大きな問題になると予測されるピーマン・トウガラシ類のモザイク病対策として、農研機構では「グリーンペパーPM」を開発した。これは植物ウィルスワクチンを利用した生物農薬で、残留性がなく農薬散布数にもカウントされないため、有機栽培や減農薬栽培などにも利用できる。
この「グリーンペパーPM」の使い方や実用例などもまとめた冊子も、栽培マニュアルとあわせて公開された。
これらのマニュアルは農研機構中央農業総合研究センターのホームページから、無料でダウンロードできる。
また、同ホームページでは、これらのマニュアルをダイジェスト版で紹介する動画も公開されている。
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