TPPに加盟しないと、アジアの経済発展の成果を取り入れることができなくなって、日本はアジアの経済発展から取り残されるという。企業がアジアに逃げ出して、雇用がますます余ってしまうし、賃金も下がってしまう。だからTPPに加盟しようという。
だが、中国やインドなど、アジアの主要な国には、TPPに加盟しようという考えはない。むしろアセアンを強化しようとしている。そのためにはTPPは邪魔とさえ考えている。
こうした状況のなかで、日本がTPPに参加すれば、アジアの孤児になって、企業がアジアに進出することは、むしろ困難になるだろう。
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百歩ゆずって、企業がアジアに進出できると仮定しよう。企業がアジアで儲ければ、そのカネを日本国内に投資するから、雇用も増えるという。だから賃金も上がるという。
だが、いままでの実績をみると、企業は儲けても国内に投資もしないし、雇用も増やさなかった。それどころか、雇用を不安定にし、減らし、賃金を下げてきた。
このことを、多くの国民は身にしみて実感している。だからTPP加盟に反対している。
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その上、TPPは日本の安全を脅かす。ゼロ関税で日本農業の存続を危ぶませて、食糧安保を危機に陥れる。食品の安全基準をアメリカ基準に変えて、食品の安全を脅かす。さらに、医療を営利の手段にして、生命の安全をないがしろにする。
つまり、出来もしない経済優先の考えのもとで、安全を犠牲にしようとするのがTPPである。この点で、TPPも原発再開も共通した危険な考えに基づいている。
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もう1つの共通点は、ともに経団連が唯一の、しかし強力な圧力団体になっている点である。原発は、とうとうその圧力に屈した。しかし、TPPはそうなってはならない。
政府は、政権交代のときの初心にもどって、「国民の生活が第一」の旗を誠意をもって掲げ続けねばならない。経団連に主権はない。主権は国民にある。
(前回 TPP問題で経団連に忠誠を誓った首相)
(前々回 「カザン宣言」批判)
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