(元となる資料はHP「原発なくてもエエジャナイカ」より
首相は、「脱原発依存の基本方針」と言いながら、他方で、将来の原発依存度を0%、15%、20〜25%のどれにするか、を全国の各地で国民の意見を「聴聞」している。
もしも脱原発依存が基本方針と言うなら、将来の原発依存度はゼロしかない。
脱原発集会で「再稼動反対」を叫んでいる人たちは、原発依存度ゼロを要求している。それを首相は無視してきた。原発推進を主張している経団連が怖かったのだろう。
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こんども、原発依存度をゼロにする、と明言したわけではない。原発ゼロの課題を検討する、と言っただけである。逃げ道を周到に用意している。
だから、脱原発の抗議行動は、政府が本気で原発ゼロを目指すまで続くだろう。そして全国へ広がるだろう。
今週の金曜日の集会では、原子力規制委員会人事の撤回と大飯原発の停止を要求するという。人事の問題とは、原子力ムラの人を委員長にして、原発の安全基準を作ろうとしている問題である。それは、原発再稼動のための準備である。
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原発ゼロを本気で考えているのなら、新しい原発は作らないし、いまある原発は再稼動しないのだから、安全基準など要らない。(原発の技術を継承して、「安全な」原発を作り、輸出して儲けよう、という意見とか、あるいは、安全保障のために、原発の技術を使って原爆を作ろう、などという物騒な意見もあるが、それはそれで危険な重大問題である。)
委員会は原子力ムラの人を除いて、原発ゼロへの行程表、つまり、廃炉の順序を提案してもらえば、それでいい。もちろん、現在稼動中の大飯原発は停止する。
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政府が、デモの参加者からの信頼を得るためには、退路を断って、つまり、経団連の脅しに屈することなく、脱原発依存の基本方針を、つまり、原発ゼロを、本気になって明言することである。
その上で、政府は福島の苦悩を正面から見据え、福島を3.11以前の状況に回復しなければならない。それは、不可能に近いが、そこに少しでも近づけるよう、全力を注がねばならない。
※1 首相の挨拶はコチラから
(前回 脱原発デモと経団連が政治を動かした)
(前々回 消費増税、原発、TPP、オスプレイ)
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