自民党が圧勝したとはいえ、自民党の政策に積極的に賛成して勝たせたわけではない。それは、他の党は支持したくないので、やむなく自民党を支持したのかもしれない。また、勝ち馬に乗った、ということかも知れない。投票率の低下も見逃せない。
政党別の支持率が、より忠実に分かるのは、比例区の当選者数だが、それを上の表で示した。
この表から分かるように、自民党が圧勝したわけではない。前回と比べて2人ふえただけである。公明党も1人ふえただけで、両党を合わせても79人で総数の180人の44%にすぎない。その政権が長くつづくとすれば、それは、死に票が多い小選挙区制の欠陥である。
一方、民主党の惨敗は明らかで、3分の1になってしまった。
それに代わったのが、維新とみんなと未来だが、それぞれが分散してしまった。
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だが、この表を見れば、第2極の再編は充分にできるし、自公政権に太刀打ちできる。この表では自公以外の政党の支持率は合計すれば56%になる。問題は、再編の基軸である。それは、国会内での政党の再編だけではない。国民を基礎にした再編でなければならない。問題が先鋭化すれば、自民党の分裂も起こりかねない。
国民の中にどのような政治的課題があるか。それは、TPP問題であり、原発問題であり、消費増税問題である。これらは、いづれも市場原理主義的に解決するか、それとも、反市場原理主義的に解決するか、の問題である。それに、東日本の早期復興と、これから始まる全国各地でのオスプレイの訓練飛行の問題が加わるだろう。
これらの政治課題を基軸にしない政党の再編は、国民の政治不信を深めるだけだろう。この基軸は、99%の国民に基盤をおく政党か、それとも1%の国民に基盤をおく政党か、ということでもあるだろう。そうでなければ、野合といわれてもしかたがない。
やがて、参議院の選挙になる。再編を急がねばならない。
(前回 民主党公約のTPPかくし)
(前々回 自民党の農政公約の後退)
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