イネは穂軸から数回枝分かれして花をつける。枝分かれのことを「枝梗(しこう)」と呼び、回数に応じて1次枝梗、2次枝梗とあるが、この枝梗数が多ければ着粒数も増え収量があがる。
インディカ種の多収米「ハバタキ」は、コシヒカリの2倍もの種をつけるが、これは2次枝梗数が多いためだ。ハバタキの穂の分枝構造を制御している4つの遺伝子群(QTL)をコシヒカリに足すことで、種数が多いコシヒカリをデザインした。
また、名古屋大学は2010年5月、1次枝梗数を増やすWFP遺伝子を同定した。2つの遺伝子を導入することで、1穂あたり510粒が実る超多収イネを開発した。
今後は、栽培には適さない野生イネの優良遺伝子や、耐病性・耐ストレス性なども付加し、「限界を超える多収米」の開発・育成をさらに推進していく方針だ。