11月30日に開かれたスイス主催のG10閣僚会合昼食会には日本のほか、スイス、ノルウェー、台湾、リヒテンシュタイン、韓国の閣僚が参加。今後の結束を確認し声明を発表した。
声明では「G10閣僚は農産物貿易に関する規律においては食料安全保障を考慮するとの意識がWTO加盟国間で増大している」と指摘。FAO食料安保サミットでは「開かれた市場の重要性」とともに「各国の多様な条件を考慮した農業生産や生産性向上」が支持されたことから、「この状況は非貿易的関心事項に関するこれまでのG10の主張が追認されたことを意味する」と強調している。
しかし、WTO交渉では「農業交渉のおける野心の水準は上がり続け、G10各国を困難な国内政治情勢に陥れており、もはや裁量の余地はほとんど残されていない」と批判。声明に▽上限関税導入阻止、▽重要品目の数、関割新設の自国指定と柔軟な取り扱いが重要であることを改めて明記した。
こうした背景からG10閣僚はG10各国の持っている懸念への配慮がなされ、かつ、農業交渉における3分野(市場アクセス、国内支持、輸出競争)のバランスが達成できた場合のみ「合意が得られることに同意した」とした。同時に、今後の交渉でこれまでに「安定した論点」となったものを再び蒸し返すような提案がなされた場合は「8年間の交渉の結果得られた繊細なバランスを崩すことにつながることになる」と声明で強調している。
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