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【WTO閣僚会合・3】各国の農業生産力強化を WTO会合で赤松農相

 スイス・ジュネーブで開かれているWTO(世界貿易機関)定例閣僚会合で赤松農相は事務局にステートメントを提出した。

 ステートメントは各国の閣僚に配布されるほか、WTOのホームページ(英文)でも掲載されている。
 赤松農相は「私たち日本人にとって食と農業は生活文化や伝統の根源。高温多湿なアジア・モンスーン地域にあって、日本人はいわば皮膚感覚として自然の機微と調和することの必要性、大地の恵みのかけがえのなさ、共同作業に勤しむことの歓びを体験的に学んできた」と切り出し、水田農業を通じて古くから培ってきた「循環」(natural cycles)と「持続」(sustainability)という思想は、食料や環境、貿易などの地球規模の課題に対処するうえで重要なキーワードであることを訴えている。
 そして世界の栄養不足人口が10億人を突破する危機的な状況のなか、食料問題に敢然と闘いを挑むが、その本質的な解決のためには「各国それぞれが自らの農業生産力を強化することが重要である」と強調している。
 日本もそのための新たな政策を導入し世界の食料需給の安定化に寄与する考えであることを示し、そのためには各地域の条件に適合した「多様な農業の共存」が必要であることを昨今の食料危機問題が「改めて想起させた」と指摘し、ドーハラウンドの農業交渉では各国のセンシティビティに配慮したルールづくりが必要と主張を展開している。
 ラウンド妥結に貢献することも明記しているが、WTO交渉に向けた「日本提案」で国民総意の「哲学」として掲げた「多様な農業の共存」(coexistence of various types of agriculture)をアピールした。
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(2009.12.02)