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国の発展に日系移民が貢献 JAビルでパラグアイ独立200周年記念イベント

 南米大陸のほぼ中央に位置するパラグアイ共和国は、2011年5月15日に独立200周年を迎えた。同国には戦前より日本人農業者が多く移住し、当地で農業の発展や農協の結成に尽力してきた。
 同国大使館とJA全中は、6月7日から10日まで東京・大手町のJAビル4階「農業・農村ギャラリー」で独立200周年記念「農業と文化イベント」を開催した。7日には中南米各国の大使など100人ほどが出席してオープニングセレモニーを行った。

オープニングセレモニーには各国大使なども含む100人ほどが集まった(写真)
オープニングセレモニーには各国大使なども含む100人ほどが集まった。

豊歳直之パラグアイ共和国特命全権大使 イベントは、日系移民の歴史やパラグアイ農業などのパネル展示のほか、特産のマテ茶やお菓子などの試食会、民族楽器アルパの演奏会などを毎日行う。
 セレモニー後には「パラグアイ農業の発展と日系農協の活躍」をテーマにシンポジウムを開いたが、9日も「JA全中による小農支援活動」をテーマにシンポジウムを開く予定。
 同国の豊歳直之特命全権大使はセレモニーで、1936年の11家族の移住から始まったパラグアイへの移民の歴史と、それまで輸入に頼っていたトマトなどの新規作物の導入に日系移民が貢献したことなどを紹介し、「これからも技術協力やさまざまな支援などでより密接な関係を築いていきたい」と感謝を述べた。
 主催団体でもあるJA全中の土屋博常務は、同国からの東日本大震災への義援金や、大豆100tを使って豆腐100万丁を被災地へ届ける運動などに謝意を示し、「パラグアイ農業の発展に日系移民が貢献したと聞いて、日本で農業、農協に携わる人間としてこれほど嬉しいことはない。この友好関係をこれからも継続していきたい」とあいさつした。
 パラグアイ日系農協中央会の後藤吉雅会長は、同イベントについて「日本の人たちにパラグアイを知ってもらうきっかけになってほしい」と期待を込めた。
 同国主産品の大豆は作付け面積300万ha、生産量800万トン。輸出量では世界4位だ。日系農協は全国に5組織あり、合計で組合員440人、大豆作付面積5万5000ha、同生産量15万トンになる。また、ブラジルとの国境周辺では世界最大級の水力発電所であるイタイプーダムもあり、自然エネルギーの利用にも注目が集まっている。

        セレモニー後のシンポジウムのようす     会場内では民芸品の展示や試食会などを随時行っている
(写真)
上:豊歳直之パラグアイ共和国特命全権大使
下:(左から)セレモニー後のシンポジウムのようす。会場内では民芸品の展示や試食会などを随時行っている。


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