調査結果は7月11日現在で関係者から被災状況や経営再開状況などを聞き取り、2010年農林業センサス結果に乗じて集計したもの。対象は福島県を除く、青森・岩手・宮城・茨城・栃木・千葉・新潟・長野の8県。状況確認対象の114市町村のうち110市町村に農業被害があった。
岩手県では農業被害は20市町村で発生し、このうち11市町村(約55%)で津波被害があった。宮城県では農業被害は31市町村で、このうち15市町村(約48%)で津波被害があった。
農業集落数では8県計の2万9690集落のうち、約12%にあたる3658集落が被害にあった。岩手県では約36%の1300集落が被害にあい、津波被害は約7%の269集落で発生した。宮城県では約35%にあたる968集落が被害にあい、津波被害は約21%の576集落に及んだ。
農業経営体ベースでみると、岩手県では約14%の7680経営体が被害を受け、このうち津波被害は440経営体となった。宮城県では約14%の7020経営体が被害を受けたが、このうち8割以上にあたる5820経営体が津波被害を受けていた。
営農は岩手県では約95%にあたる7260経営体が再開している。しかし、津波被害にあった440経営体で再開できたのは50経営体と約11%にとどまった。
宮城県では経営再開は約34%にあたる2400経営体にとどまった。とくに津波被害を受けた経営体で再開できたのは1300経営体で約22%となっている。
(関連記事)
・3年以内の営農再開めざす 3次補正で復興マスタープランに着手 (2011.09.16)
・農林水産業の復旧・復興の課題を議論 食・農・環フォーラム (2011.08.29)
・復興組合を設立 JAいしのまき (2011.08.11)
・被災農家の経営再開を支援 第1次補正予算 (2011.05.06)