◆3年ぶりに100を超す
23年産米の生育は、全国的に5月下旬から6月中旬にかけて日照不足の影響がみられたが、その後の天候がおおむね順調に推移していることから、全国の10aあたりの予想数量は535kgで、作況指数は101と見込まれた。
地域別にみると北海道は全もみ数(1平方メートルあたりのもみ数)は少なくなったものの、7月以降はおおむね天候に恵まれ登熟は順調に推移。8月15日現在の作柄も良くなり、作況指数は「やや良」の105が見込まれている。
東北は、5月下旬から6月上旬にかけての低温と日照不足で分げつが抑制されたものの、7月上旬から中旬にかけて気温・日照ともおおむね平年を上回り、8月以降も気温が平年を上回っていることから101が見込まれている。
そのほか、北陸101、関東・東山100、東海100、近畿99、中国102、九州101となっている。沖縄の第一期稲は80となった。
今回の作柄調査は台風12号の上陸・通過後に実施されたが、冠水や倒伏などによる作柄への影響は一部地域にとどまり、大きな影響はなかったという。また、台風15号の影響は10月15日現在の作柄調査に反映されることになるが、農水省は「1ポイントまで下げるかどうかの限定的な影響ではないか」と見込んでいるという。
◆過剰作付けが減少
青刈り面積を含む23年産水稲の作付け面積は163万2000haで、前年産にくらべて2万5000ha減少の見込み。津波被害の大きかった宮城県では6500haの減少で、津波に加え原発事故による作付け制限なども行われた福島県は1万5400haも減少している。
青刈り面積を含めた作付け面積から、加工用米と飼料用米、米粉用米など新規需要米、さらに備蓄用米の作付け面積を差し引いた主食用の作付け面積は152万6000haで、前年産にくらべて5万4000haの減少となった。
23年産の生産数量目標は795万tで、これを面積換算すると150万4000haとなる。主食用作付け面積152万4000haとの差は2万2000haで、これが過剰作付け面積となる。前年産の過剰作付け面積は4万1000haだったため、23年産では1万9000ha減少したとみられる。 主食用作付け面積に予想収量535kg/10aをかけた予想収穫量は815万9000tとなる。23年7月から来年6月までの1年間の主食用需要量は805万tが見込まれており、約11万t程度が過剰となりそうだ。今年6月末の民間在庫は182万tで過剰分がそのまま積み上がれば来年6月には192万t程度となる。ただし、22年6月末在庫は216万t、21年同は212万tであったことなどから、農水省は需給に大きな変化が出るものではないとの見方を示している。
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