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都市農業、相続税や固定資産税の負担大きく 農水省の実態調査結果

 農林水産省はこのほど都市農業に関する実態調査結果をまとめた。市街化区域内の農地を持つ農家を対象に調査したもので、65%程度は後継者を確保できる見通しであるなどが示されたが、回答者の6割強が相続税や固定資産税の負担が大きく農業を続けるうえでの支障になっていると回答した。

 調査は市街化区域内に農地を持つ61市区町の農家と都道府県、自治体を対象に平成22年8月今年8月までに行った。
 調査結果によると、都市農家の平均耕地面積は75aで全国平均の約6割となっている。農地は転用が可能な「宅地農地」と転用規制のある「生産緑地」や「市街化区域以外の農地」の両方を利用していることが示された。 中心的な農業者の年齢は都市農家全体では、65歳未満が53%だが、3大都市圏特定市では同56%と増え、都市部ほど若くなる傾向がみられた。
 年間販売金額は100万円未満が全体の6割を占めたが、700万円以上も1割程度あった。生産する作物は露地野菜が回答数の69%、水稲・陸稲が60%を占めた。農産物の販売先は直接販売が42%、JA出荷が41%などとなった。ただし、年間販売金額が700万円以上層では卸市場への販売との回答が57%を占めた。 農業後継者については「農業後継者・予定者がいる」、「誰かが継いでくれると思う」を合わせた回答は65%だった。2010年センサスで農家全体を調査した結果では、後継者がいるとの回答は59%だったことからすると、都市農家の後継者確保の見通しは若干高いことが示された。
 ただし、農業を続けるうえでの支障については、6割を超える都市農家が相続税や固定資産税の負担が大きいことをあげた。また、自治体も含め税制改正要望を聞いたところ、農家も自治体も相続税評価額と固定資産税の軽減が1位、2位を占めた。


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