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春肥の価格4.3%値上げ  JA全農

 JA全農はこの11月から来年5月までの23肥料年度春肥の主要品目の価格について、大半が値上げとなると10月28日に発表した。

 春肥の主要品目の価格変動率(23肥秋肥対比)は表の通りで、高度化成の基準銘柄である一般(15-15-15)では、4.3%の値上がりとなっている。23肥秋肥は22肥春肥より3.2%の値上がりだったことから、22肥春肥との対比では7%強の値上がりとなる。
 値上げの要因として全農では、窒素、りん酸、加里などの海外原料が人口の増加基調や中国・インドなどにおける穀物需要の増加による肥料需要のアップなどで値上げ圧力が続いていること、副原料である硫酸が値上がりしており、昨今の円高をも上回る原料高になっていることをあげている。
 全農では6月からメーカー各社と個別に価格交渉を行ってきたが、交渉の特徴点として次の点をあげている。
【窒素】尿素などの窒素質肥料は、原料であるアンモニア、ナフサ、LNGなどの主原料コストが上昇し高止まりとなっている。
【りん酸】原料であるりん鉱石の国際市況の上昇や硫酸の値上がりを反映して値上げとなった。
【加里】世界的な需要増加を受けて山元も引き続き値上げを打ち出しているため値上げとなった。
【複合肥料】製造諸経費は据え置きにしたが、3成分の原料値上がりを反映せざるをえなかった。
【製造諸経費】重油、包装資材費などの値上げによる、強い値上げ要求がメーカーからあったが、昨今の農業情勢を説明し、最終的に据え置きとなった。
 全農では、今後も原料の安定確保に全力をあげるとともに、「施肥コスト抑制対策」の取り組みを強化していく。とりわけ土壌分析にもとづく低成分肥料(PKセーブ)の普及をいっそう促進していくことにしている。

23肥春肥の主要価格変動率

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