農水省公表の10月15日現在の作柄概況では、23年産水稲の作付面積(子実用)は157万4000haで前年産にくらべ5万1000ha減少した。このうち主食用は152万6000haでJA全農の推計では生産数量目標795万tから換算した150万4000haと比較すると、過剰作付け面積は2万2000haとなる。
また、23年産米は作況指数「101」で、10aあたり予想収量の533kgから換算した主食用米の予想収穫量は813万4000トンとなる。
全農の推計では今年6月末の在庫は197万tで23年産主食用米生産量とあわせた供給量計は1010万tとなる。 23年7月から24年6月末までの需要量について農水省の基本指針では805万tとしているが、かりにこの需要量であった場合は、24年6月末在庫は205万tとなり、農水省の基本指針より35万t多い推計となっている。
一方、農水省公表の23年産米の9月の相対取引価格は全銘柄平均で60kg1万5196円で前年同期比で117%となっている。銘柄によっては徳島コシヒカリ:1万5954円(同130%)、北海道きらら397:1万3730円(同125%)、山形はえぬき:1万4698円(同122%)など22年産より2割以上高く取引されているものもある。
ただし、9月の相対取引価格は18年産1万5657円、19年産1万4538円、20年産1万5169円、21年産1万5163円となっており、23年産米の価格は20年、21年産水準に戻ったにすぎない。
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