販売農家1戸あたりの在庫量は314kgとなり、前年6月末の334kgにくらべ全国平均で20kg、6.0%の減少となった。精米を除く在庫量は294kgで同19kg、6.1%の減少となった。
東日本大震災の発生直後、物流の混乱で首都圏を中心に米の品薄状態が一時続いたが、農水省統計部によるとこの在庫調査の過程で販売農家からは取引業者や、直売で契約している都会の消費者から例年よりも多く注文があったとの声が聞かれたという。
実際、東北・北海道では、北海道は前年比54kg減、岩手同62kg減、宮城同45kg減、秋田同32kg減などとなっており、そのほか関東(
埼玉同60kg減)や北陸(石川同74kg減)でも全国平均より大幅に在庫量が減ったことが示されている。
しかし、福島では前年比0.7%増とほぼ横ばいとなった。6月末の在庫はいうまでもなく22年産米であり、原発事故の発生前に収穫されたもの。本紙の取材でも原発事故後に、直売をしている生産者が消費者から契約をキャンセルされたという事例も聞かれた。福島では風評被害で販売が滞ったことがこの数字にも表れており、同時に23年産米の供給不安から他県の22年産米が買い急がれたことが示されたといえそうだ。
なお、米の在庫量は販売農家の手持ち数量で、この数量にはJAなどに委託し、まだ業者等に引き渡しがされてないものも含まれている。
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