基調講演では千葉大の古在豊樹客員教授が植物工場の研究成果と、その将来像としての医農食連携について発表した。
農研機構の10年間の成果発表では、高温耐性イネや飼料作物などの新品種のほか、家畜伝染病の防疫資材、米粉など新たな食材の品質評価技術、といった研究開発が紹介された。
パネルディスカッションは東農大の林良博教授を座長に、「今、求められる農業イノベーションとは」をテーマに6人が登壇した。
その中で「農家ニーズをしっかり把握した上での研究開発が必要だ」との意見があり、パネリストの大西茂志JA全中常務はJA全農も開発に携わり利用をすすめている鉄コーティング水稲種子を使った湛水直播栽培技術や、地下水位制御システム「FOEAS」(フォアス)の実用について、「JAグループとしても、県の人たちと一緒に生産現場へ行き研究開発、普及をすすめた。中山間地でこれらの利用が広がり、農業が楽しくなった、などの意見をもらった。現場での課題に対して、総合力を発揮して解決することができている」などと紹介した。
そのほか、農研機構と大学、団体、行政などと連携した研究機関コンソーシアムの構築、生産者ニーズと消費者ニーズをどう合致させるか、などについて討論した。
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パネルディスカッションの様子。(左から)林教授(座長)、門間敏幸・東農大教授、大西常務、小山豊・千葉県農林総合研究センターセンター長、荒蒔康一郎・キリンホールディングス相談役、有田芳子・主婦連合会副会長、堀江武農研機構理事長
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