福林憲二郎会長(住友化学代表取締役専務執行役員)はあいさつで、世界的な人口増に対応するための食料増産の必要性、また飼料用やバイオマス用作物の生産拡大への期待などを受けて、「今ほど農業が魅力的な時代はない。農産物の安定的な生産と適正で安全な病害虫防除のために、農薬の役割はますます重要になってくる」として、会場に集まった農薬メーカー代表者らにも日本農業発展のために取り組んでもらいたいと期待した。
その上で2012年の農薬工業会の課題と目標として、農薬登録制度への適切な対応と情報公開活動の2点をあげた。
昨年7月、農薬工業会では農水省の進める新たな農薬登録制度に対応するため、農薬登録制度特別対応チームを結成した。今年もこの活動を引き続きすすめる考えだ。情報公開活動については、生産現場での適正使用とともに消費者に対して農薬に関するポジティブな情報や技術を正しく伝え、農薬への理解醸成を図っていきたいとした。
村田興文氏(シンジェンタ ジャパン取締役会長)、丸山孝雄氏(北興化学工業代表取締役社長)の両副会長もそれぞれ「(農薬メーカーは)農業の生産性向上に大きく貢献していることを誇りに感じながら取り組みを進めてほしい」(村田氏)、「日本の、そして世界の農業の発展のために前向きに突き進んでいきたい」(丸山氏)と2012年の抱負と期待を述べた。
来賓として農水省の朝倉健司・農産安全管理課長はあいさつの中で農薬登録制度について触れ、「農薬メーカーの皆さんは、農業施策を進める上での大事なステークホルダーだ。登録制度について具体案がまとまれば、積極的に農薬メーカーの皆さんと意見交換していきたい。農薬メーカーの方でも、登録制度についての取り組みを強化してもらいたい」と期待した。
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上から、福林会長、村田副会長、丸山副会長、朝倉氏
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