これによると、地域生協の11年度概況(推計)は次の通り。
組合員数は1939万人で前年より2.3%増えている。
総事業高は2兆6552億円で前年度より0.4%増となっている。そのうち、共済事業や福祉事業を除いた供給高は2兆5573億円で同0.3%増となっている。その内訳をみると、店舗事業は9060万円で同マイナス2.7%と前年水準を割り込んでいる。
宅配事業は1兆6015億円で同1.5%のプラスとなっているが、そのうち個配事業だけをみると9893億円で同4.5%のプラスとなっている。かつてのように2桁の伸長は見られないが「安定あるいは成熟期に入った」と矢野専務は評価した。
供給面での11年度の大きな特徴は、非食品の供給高が前年度より3.7%増えていることだ。これは東日本大震災の影響を受け、乾電池などの備蓄という「特別な需要」が増えたことによるものと推定されている。
店舗事業では、赤字店舗が全体の4割弱あること、成長部門である惣菜の構成比がSM企業の43.9%〜47.7%に比べ生協は37.7%と大きな差が見られるなどの課題が明らかになった。
宅配事業ではインターネット利用や配食事業などでの今後の戦略が課題としてあげられている。
地域生協の経常剰余率は1.26%と前年度より0.5ポイント改善したが、店舗事業の剰余率は前年度より0.61ポイント改善したとはいえ▲2.08%と依然として赤字体質が続いている。宅配事業の経常剰余率は2.98%と前年度より0.51ポイントの増となっている。
組合員は前述の通り増えているが、一人当たりの月利用高は1万1543円と前年より2.9%のマイナスとなっており、一人当たり利用高をどう高めるかが依然として生協の大きな課題となっている。
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