また、重要な栽培ポイントをまとめた生産者マニュアルを作成した。内容は、新技術の特徴や作業手順をわかりやすく説明。また導入した場合の経営評価も掲載している。
「萌えみのり」は直播栽培で問題になる倒伏に強く、その上、一般品種の移植栽培と同程度の収量が得られる。
さらに他の作物の作業に使用される背負い式動力散布機や産業用無人ヘリなどを利用できるため専用機が不要で機械代を抑えることができる。東北農研が育成した多収で、食味の良い「萌えみのり」が低コスト生産できるというわけだ。
コメ生産は低コスト化、省力化を迫られている。その中で直播栽培が増えているが、収量が移植より1割低い事例が多く、玄米60kg当たりの生産費は移植栽培よりも低下しないという問題があった。
一方、農研機構近畿中国四国農業研究センターは、土の中に播種するのではなく、鉄粉を種子にコーティングして、土の表面に播種する鉄コーティング直播栽培技術を開発した。
この技術は表面播種のため出芽が安定し、コーティング資材費が一般的に使われている過酸化石灰資材より安く、さらにスズメなどによる鳥害に強い特徴もある。その上、コーティング種子には数カ月ほど保存できるという長所もある。しかし倒伏しやすいという欠点があった。
そこで倒伏しにくい「萌えみのり」という品種を鉄コーティング直播で栽培する技術の開発となった。
(写真)
「萌えみのり」の鉄コーティング種子
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