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建更が事業を牽引 23年度決算など承認  JA共済連通常総代会

 JA共済連は7月26日に都内で第36回通常総代会を開催し、23年度決算などを承認した。

◆厳しい環境下にもかかわらず堅実な決算

JA共済連通常総代会 東日本大震災による支払共済金の合計は9000億円余となったが、22年度で決算計上した支払備金や海外再保険会社からの再保険の回収で23年度決算には大きな影響を与えることなく処理できており「大変厳しい事業環境ではあったが、堅実な決算を行うことができた」と、安田舜一郎経営管理委員会会長は開会のあいさつで述べた。
安田舜一郎経営管理委員会会長 さらに、JA共済事業の今後の展開方向を検討してきた農協共済審議会の答申内容については、「いかなる環境下にあっても、組合員・利用者の負託に応え、最良の保障・サービスを提供するとともに、共済責任の履行に万全を期していくため」次期3か年計画のなかで、具体化を図っていくとした。


◆生存保障ニーズの保有が増える

 23年度の新契約高は、東日本大震災による建物保障ニーズの高まりなどから建物更生共済が件数で前年度実績比126.6%の約95万件、保障共済金額が同135.9%の15兆円強と前年実績を大幅に上回った。生命総合共済は、件数が同90.6%、保障共済金額が同86.7%と前年実績を下回った。
 この結果、生命総合共済と建物更生共済の合計は、保障共済金額25兆835億円(同110.7%)となっている。
 自動車共済は件数844万2000件(同100.6%)、共済掛金2461億円(同100.8%)と、自動車を巡る環境が厳しいなか前年実績を確保する健闘をみせた。
 生命と建更合計の保有契約高は、前年度末から7兆3572億円減の303兆7208億円となったが、生存保障ニーズに応えた結果、生命総合共済の保有契約高(満期共済金額)は31兆4962億円(同105.1%)、医療系共済の入院共済金額(入院日額)は194億円(同133.3%)と前年度末実績を上回る結果となっている。
 一方、3月末までに支払った共済金は、事故共済金が1兆8746億円(同206.6%)、満期共済金が2兆4615億円(同88.9%)。総額で4兆3361億円(同118.0%)となった。
 これはJA共済を利用する組合員・利用者の生活保障や災害復興の一翼をJA共済事業が担っている証ともいえる。


◆健全な財務状況を維持

 決算関連では、会員JAに6000億円の増資を要請していたが、23年度末までに5631億円の出資金を受け入れている。ほぼ24年度中に6000億円の増資ができる見通しだという。
 財務関係では、総資産は47兆6332億円と前年度より1兆3356億円増加した。運用資産は、増資および一時払契約の伸展によって前年度末より1兆7308億円増の45兆7421億円となった。
 純資産は589JAから5631億円の増資による出資金を受け入れたことなどから、5149億円増の2兆4926億円(前年比126.0%)となった。
 経常利益は、建更の事故共済金の増加やリスク担保力強化のための責任準備金繰入額などの増加で経常費用が前年度より6669億円増加したため、前年度比1619億円減の909億円となった。
 また、支払余力(ソルベンシー・マージン)比率は、前年度より71ポイント増の633.4%。実質純総資産は増資や有価証券評価差額の増加などから、前年度より1兆6860億円増の9兆1919億円となった。
 基礎利益は、危険差損益が前年度より大幅に改善したことから4521億円(前年度は▲125億円)となった。


◆推進ポイント制が効果発揮

 23年度を振り返ってJA共済連では、▽3Q訪問活動の定着による契約者フォロー活動が徹底された(517万世帯を訪問、目標達成率109.2%)こと、▽推進ポイント方式の導入JAで生存保障分野(医療・年金)や自動車共済の取組みが強化されている(推進ポイント導入JAは全JAの76.4%)こと、▽LAを中心とする推進体制が強化されている(LA1人当たり推進総合実績が前年度比109.6%と伸長)こと、などをあげている。


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