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都市農業振興基本法の制定など提言 検討会が中間とりまとめ

 政府は8月9日、「都市農業の振興に関する検討会」を開き、中間とりまとめを佐々木隆博農水副大臣へ提出した。佐々木副大臣は、都市農業への対応は重要な課題だとして、「この報告をもとに、具体的施策を考えていきたい」と述べた。

 検討会では、平成22年3月に閣議決定された食料・農業・農村基本計画での「都市農業を守り、持続可能な振興を図る」という基本的な考え方の下、関連制度の見直しや具体的な取り組みをどうすすめるかについて議論してきた。
 中間とりまとめでは都市農業をめぐる情勢について、固定資産税の宅地並み課税や相続税猶予制度における終身営農の要件付けなどが「農業者の土地利用の自由度を制約し、(中略)農業者が農地保全を選択するものを躊躇させるものであった」、「都市の空き家率が上昇しているにもかかわらず、市街化区域では年間3000〜4000haの農地が宅地へ転用されている」、などの問題点を指摘。
 その上で、都市農業保全に向けた国民的理解の醸成や、都市農業振興に関する基本的な法律や条例等の制定をめざすべき、とした。そのためにも、農水省が国交省の都市計画づくりに積極的に入っていくなどの省間連携の強化を求めた。
 特に税制や土地利用の諸制度の改正については、「多数の国民に大きな影響を与える」ため、「幅広い関係者の共通認識」をつくることが必要だとしている。
 各委員からは、「農地だけでなく農業用施設用地や屋敷林など営農に必要な土地などの相続税軽減措置」、「行政・農協などを介した農地の賃貸借の仕組み」、「宅地から農地への転換手法の導入」、などが必要だといった意見があり、これらについても今後議論を深めるべきだとしている。


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