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"環境危機時計"「極めて不安」な領域へ 利益優先」が針進める  旭硝子財団の調査結果

 "環境危機時計"の針が「極めて不安」な領域に入ったとのアンケート調査結果を(財)旭硝子財団が9月10日、発表した。

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※上図をクリックすると大きな画像が開きます

◆利益の追求、グローバル経済システムが環境に悪影響

 同時計の世界平均は昨年度の9時01分から22分進み、9時23分を示した。昨年度までは3年連続で後退していたが、今年度は09年度レベルに逆戻りした。
 海外の危機時刻の平均も東欧、旧ソ連、中東を除く全地域で針が進み、平均13分の進みを記録したが、日本の場合は28分という大幅な進行だった。
 何をもって「極めて不安」と回答したのかとの理由では[1]気候変動[2]水資源[3]環境汚染[4]生物多様性[5]人口、の順となった。
 一方、今年度は「リオサミット」から20年だが、地球環境問題の解決や対応には目だった進展がないとして、その理由に焦点を当てた質問も盛り込んだ。
 問題に取り組む上での「障害は何か」に対しては「経済利益の追求」という回答が最多(82%)だった。次いで「グローバル経済システム」が挙がり、この2つでほぼ半数を占め、後は「意思決定システムの問題」など。
 内容は「国益、個人、企業の利益が環境よりも優先されている事に対する懸念が多数を占めた」、「経済目標ではGNP指標を重視しすぎることに対する反省が進まないことなどを問題とする意見が多かった」など。


◆8割が原発見直しを望む

 原子力発電に関する意識調査結果は「市民意識の変化」について▽「反対する市民が多くなった」という意見が全世界で多数を占めた▽原発政策の何らかの見直しを望む意見は全体の80%となった▽見直しで重視するのは「市民の健康と安全」、「次世代への配慮」、「地球環境への配慮」が大半を占めた。

 同調査は「地球環境問題と人類の存続に関するアンケート」といい、平成4年から毎年実施している。調査対象は世界各国の政府・自治体、非政府組織、大学・研究機関、企業などで環境問題に携わる有識者。調査票の回収数は88カ国の約1100人(送付数の約15%)。


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