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政府の責任で米の需給と価格安定を  JAグループ

 JA全中は11月8日の理事会で「24年産米の出来秋対策を含めたJAグループの考え方」を決めた。考え方では政府の責任で米の需給と価格の安定を図ることが必要だと強調している。全国集会でアピールするほか、今後は政府・与野党に働きかけていく。

 戸別所得補償制度と棚上げ備蓄方式の導入にともなって、政府は「出口対策」を一切行わないとしている。
 しかし、6月には業務用米などが不足しているとの声にこたえ、需給フレームの補正をするとして政府備蓄米4万tを代替供給の名目で販売した。また、10月末にも加工用向けに3.9万tの販売を行うなど、JAグループは実質的な需給調整を行っている、と指摘する。
 こうしたことから今回の「考え方」では主要食糧の需給と価格の安定を図るという「食糧法」の趣旨をふまえて「政府の責任により米の需給と価格の安定をはかることが基本」と主張している。
 また、実際に政府備蓄米を需給変動に合わせて放出していることをふまえれば、24年産米の持ち越し在庫が増えて25年産以降の生産や需給に影響を与える可能性がある場合は、政府買い入れによる「一定の補完・調整措置は必要」だとしている。
 そのほか考え方では以下の点を主張していく。
【25年産主食用米の生産数量目標の取扱い】
 
生産数量目標の設定にあたっては過度に減らすのではなく、需要量よりも少ない生産数量目標が設定されていることをふまえ適正に設定することが必要。また、用途別に地域の担い手づくりや販売戦略に基づきバランスのある作付けを推進する必要がある。
【SBS輸入米による需給への影響を考慮した見直し】
 政府備蓄を回転備蓄から棚上げ方式に移行、備置米を「転作一形態」に変更し市中からの買い入れはしていない。このためSBS輸入米10万tは主食用の需給に影響を与えるため「米のミニマムアクセス導入にともなう転作強化は行わない」とする閣議了解をふまえた見直しが必要。
【政府備蓄米制度の運用の見直し】
 100万tを下回っていることから適正な備蓄水準の確保や、播種前入札の不落札分の出来秋買い入れによる年産更新が必要。
【過剰米対策基金を活用した需給対策の検討】
 24年産米については今後、高価格帯を中心に販売が進んでいかないことが想定され、持ち越し在庫の増加も考えられる。このためJAグループ自らの取り組みとして、政府の責任による取り組みを前提に、今後の需給と価格動向をふまえ米穀機構の過剰米対策基金(約225億円)を活用した対策を引き続き検討していく必要がある。
【戸別所得補償制度の見直し】
 農業関係予算が減少しているにもかかわらず、戸別所得補償制度関連で多額の未消化予算があるため、JAグループが主張している新たな直接支払い制度を基本とした総合的な水田農業対策の確立に向けて財源の繰り越しを含めた対応が必要である。


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