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原発事故の影響で23年の耕地利用率下がる 農水省統計

 農林水産省は11月26日、23年の農作物作付け延べ面積と耕地利用率を公表した。田畑計の耕地利用率は前年より0.3ポイント低下した。原発事故の影響で福島県内で作付けできなかったことが影響したとみられている。

 田の作付け延べ面積は227万8000haで前年にくらべて2万5000ha減少した。飼料・肥料作物や雑穀、麦類の作付け面積は増えたものの、水稲、豆類が減少したことによる。田の23年耕地面積は247万4000haとなっていることから23年の耕地利用率は92.1%となり、前年より0.2ポイント下がった。
 おもな地域をみると九州では0.9ポイント上昇し111.1%となったものの、東北では2ポイント低下し85.6%となった。
 畑の延べ作付け面積は191万5000haで前年にくらべて1万5000ha減少した。雑穀、麦類の作付け面積は増えたものの、野菜、飼料・肥料作物、工芸作物などが減少したため。畑の23年耕地面積は208万7000haとなっていることから耕地利用率は91.8%となり前年より0.2ポイント下がった。 おもな地域をみると北海道では0.2ポイント上昇して100.7%となったが、東北79.4%(▲1.1ポイント)、北陸81.6%(▲1.5ポイント)、中国77.9%(▲1.6ポイント)などと下がった。
 田畑計の耕地利用率は91.9%で前年より0.3ポイント低下した。東北は▲1.7ポイントと全国農業地帯別ではもっとも低下率が大きく83.8%だった。農水省はこの結果について福島県で原発事故の影響を受けた区域で作付けが行えなかった耕地が相当数あることが影響したとみられる、としている。

耕地面積、作付延べ面積の推移

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