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ゆうちょ銀行の住宅ローン参入容認 農林中金などが非難声明

 12月18日に開かれた郵政民営化委員会は、(株)ゆうちょ銀行が申請していた住宅ローン事業への新規参入を条件付きで認めるとする意見をまとめ、これを金融庁長官、総務大臣に提出した。これに対し、JAバンクなど8つの民間金融団体は「民業の圧迫につながる」として、同日付でこの決定を批判する共同声明を出した。

 ゆうちょ銀行の住宅ローン事業は平成25年4月からのスタートを予定している。
 開始から2年間は取り扱い店舗を82店舗に限定するが、5年目までには全県に最低1店は取り扱い店舗を設置し、5年後には約230の直営店に取り扱いを拡げる予定だ。個人向け貸付の上限は2億円。企業向け貸付は大企業限定で、メインバンクになってはいけないなどの制約を付ける。
 これに対し、JAバンク・JFマリンバンク、全国銀行協会、全国信用金庫協会など8つの金融機関でつくる「郵政民営化を考える民間金融機関の会」は、▽ゆうちょ銀行には「暗黙の政府保証」があり資金調達面で優位に立っているため民間金融機関の業務圧迫につながる、▽貸し倒れが発生すれば国民負担増につながる、などとして決定を非難する共同声明を出した。
 同会は、ゆうちょ銀行が新規事業に参入するための大前提として、将来的な完全民営化を担保することが不可欠だとしており、その具体的な計画すら示されない現時点においては、貸付業務への新規参入は一切検討されるべきではない、としている。
 また、住宅ローン事業のような地域密着型金融の分野に、全国に2万4500ある郵便局を基盤にもつ巨大な公的金融機関が参入するのは、競争条件や国民資産の最適配分などの観点から考えても、「著しく不適当であり、ゆうちょ銀行のビジネスモデルを再検討する必要がある」と指摘している。


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