8月の外食産業の状況は、売上高が96.7%と前年を下回る結果となった。東京での雨天日数が11日(前年は2日)、大阪でも8日(同4日)と天候不順もあり昨年ほど気温が上がらなかった(東京の平均気温27.5℃、昨年比▲2.1℃、大阪28.9度、同▲1.6℃)こと、夏祭りや花火大会などイベントの自粛や休日が昨年より1日少なく、夜間や週末の客数が96.3%と前年割れとなったことが要因。
業態別にみると、ファストフード業態は、客単価が100.1%と前年並みだったが、客数が96%だったため売上は96.1%で前年割れとなった。業種別売上では、麺類と和風が104.2%、100.4%と前年を上回ったが、洋風、持ち帰り弁当・回転寿司は93.8%、94.1%と大きく前年を下回った。
ファミリーレストラン業態も客単価は99.8%とほぼ前年水準を確保したが客数が97%だったため売上は96.7%と前年割れとなった。業種別には中華の売上が100.5%と前年を上回った以外はいずれも前年割れとなっているが、稲わらのセシウム汚染問題の影響で焼肉は87.9%と深刻な状況にある。協会によると、焼肉以外の業種からも牛肉のセシウム汚染の影響を指摘するコメントがみられるという。
パブ・居酒屋業態も売上が97.7%と前年割れとなったが、パブ・ビアホールは天候が不順だったわりには8月も比較的好調で、客数が104.9%と前年を上回った。しかし、客単価が94.6%と前年より大幅に下回ったため売上は99.2%とわずかに前年に及ばなかった。
ディナーレストラン業態は、客数98.6%、客単価100.7%、売上99.3%と、比較的天候不順の影響を受けにくい固定客層の「ハレの日需要」を手堅く確保し堅調に推移した。
喫茶業態は、客数96.1%、客単価102.5%で、売上は98.5%だった。
8月度の有効回収事業社数は203社、店舗数は3万848店だった。
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