9月度の外食産業の売上は、対前年同月比99.2%とわずかに前年水準に届かなかった。しかし、8月の同96.7%に比べるとほぼ前年実績に近づいたといえる。わずかに届かなかったのは、上旬週末の台風12号と下旬の連休に台風15号が日本列島を横断し、各地に被害をもたらした影響だと協会では分析している。
そのなかで、ファストフード業態は利用客数は同99.0%だったものの客単価が103.0%と高くなったことから、売上が101.9%と3月の大震災後、初めて前年を上回った。業種別では店舗数が同110.1%に増えたこともあって麺類の売上が115.5%と好調だった。
同じファストフード業態でも、これまで比較的好調だった牛丼などの和風は91.3%と伸び悩んだ。
一方で、セシウム汚染の風評被害はいまだに終息せず消費者の買い控えが続き、焼肉の売上は、7月の86.0%、8月87.9%に続いて、9月も88.0%と3カ月連続で低迷している。同じファミリーレストラン業態では、洋風、和風もそれぞれ売上が93.8%、97.9%で前年割れとなり、8月よりさらに悪化している。パブ・居酒屋業態も8月の売上97.7%よりは回復したが依然として98.9%で前年割れとなっている。
ディナーレストラン業態は、客数がほぼ前年並みの99.1%だったが客単価が101.4%と高くなったことで売上は100.5%と前年並みを確保した。一部ではターミナル店舗で比較的好調だったというコメントが寄せられているという。
喫茶業態も、前年に比べて気温の低下が早かったためか冷たい飲み物の売れ行きが芳しくなく97.8%と伸び悩んだ。
9月の調査会社数は214社、3万1294店舗だった。
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