市場の6割を占めるドリンク類で新たなヒット商品が出ているからだ。また訴求効能別でみると、虫歯予防やエチケットは低迷が続いているが、整腸効果、生活習慣病予防、肝機能改善、免疫賦活作用は高成長が見込まれるとした。
11年は前年比2.2%減少の1兆1180億円だった。訴求効果別では滋養・強壮をはじめ、まだ規模は小さいものの、血行促進、免疫賦活作用、ホルモンバランスなどが前年比プラスとなったが、最大規模の整腸効果、骨・関節サポート、マルチバランスなど半数以上がマイナスとなったことが市場縮小の要因だ。
富士経済は、一般加工食品に機能成分を添加、強化した食品群を“明らか食品”、その中で飲料分野に属するものを“ドリンク”と分けて調査した。
注目市場を訴求効能別にみると、中性脂肪値・コレステロール値改善では、健康油やマヨネーズなどが明らか食品の主体となっている。12年は健康油が上向いており前年比プラスが見込まれる。
ドリンク類は、茶系飲料、豆乳などが主体となっている。
11年に既存のトクホ(特定保健用食品)の茶系飲料が回復の兆しを見せ始め、12年の市場は、これら商品のラインナップの拡充、さらには4月発売のトクホ初のコーラ系飲料「キリンメッツコーラ」(キリンビバレッジ)のヒットで前年比38.1%増が見込まれる。
キリンの発売以来、7月に伊藤園、11月にはサントリー食品インターナショナルなどからトクホの炭酸飲料の発売が続いており、今後も市場の活性化が期待されるという。
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