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カルローズへの関心高める外食・中食業界2017年11月13日

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【(株)米穀新聞社記者・熊野孝文】

 米菓をはじめとする加工用米も需要に合わせた生産に取り組むうえで大切な販売先である。しかし、米菓業界が手当てする原料用米に異変が起きているという。

 11月6日、7日の2日間にわたり新宿西口広場で米菓の即売会が開催された。この催しは、全国米菓工業組合(全国米菓)が毎年この時期に開催しているもので、今年で7回目を迎える。
 人通りが絶えない場所で全国から集まった米菓製造業者が自社の製品を即売することによって少しでも多くの人に日本の伝統的菓子である米菓を知ってもらいたいという趣旨で開催されているもので、16社が出店した。

 

◆加工用で増えるMA米需要

 コメを原料とした食品の中では米菓は生産量が落ち込んでいない食品で、平成28年度(歴年ベース)はあられが9万2310t、せんべいが12万5377t、合計21万7687tが生産され、今年に入っても大きな落ち込みは見られず、金額ベースでは年間2500億円ほどの販売額がある。この米菓業界がどのようなコメを使っているかと言うとあられはもち米でせんべいはうるち米である。正確に言うとコメ以外の原料(小麦等)の使用量も多いのだが、主原料がコメである事には違いなく、コメの生産者にとっても大事な顧客と言える。ところがその米菓業界が使用する原料米に異変が起きている。
 農水省の調査によると米菓業界が使用する原料米の制度別内訳は27米穀年度(26年11月~27年10月)では、うるち米は一般主食用米が1万t、加工用米が2万t、特定米穀が7万t、MA米が2万t、輸入米粉調整品1万t、合計13万tとなっている。また、もち米は一般主食用米が2万t、加工用米1万t、特定米穀1万t、MA米1万t、輸入米粉調整品2万t、合計6万t(合計数値はラウンドの違い)となっている。
 MA米は加工用向けに売却しており、3ヵ月分をまとめて売却する定例販売と月ごとに売却する2通りの売却方法が取られている。大手米菓メーカーはそれぞれ単独で応札して購入しているが、中小米菓メーカーは全国米菓が共同購入と言う形でまとめて応札する。これは各期で300t以上申し込むとt当たり3000円の値引き措置が取られているため。今年4月―9月分の共同購入数量はアメリカ産うるち精米が1859tになっており、前年度1年間に購入した数量に匹敵する量を落札している。単独で購入している大手米菓メーカーは今年4月―6月分だけで亀田製菓が4000t、三幸が3500tも落札している。加工用MA米は米菓業界だけに売却されているわけではなく、味噌、穀粉、焼酎業界などにも売却されており、その全体の売却実績がどうなっているのかと言うと、MAうるち米の売却実績は28年度(会計年度ベース)で10万5854t売却されており、前年度に比べ3万4067t、率にして47%も増えている。

 

◆日本 最も大切な顧客

 新宿西口での米菓の即売会が終わった翌日、港区でUSAライス連合会が外食、中食業者を招いて「カルローズセミナー」を開催した。
 セミナーではUSAライス連合会のアジア地区ディレクターがカリフォルニアで生産されている中粒種は日本向けに48万t、韓国向けに22万t輸出され「日本は最も大切な顧客」としたうえで、今年の中粒種の作柄について夏場の高温で徒長になり、倒伏により収量の減収と品質の劣化が懸念されるが「日本向けにSBSで輸出するカルローズは精米工場で2度色選をかけるので、品質に問題はない。満足してもらえるものを輸出する」とアピールした。2016年度のSBS入札は7万3314tが落札され、このうち77%をアメリカ産が占めた。今年9月に行われた今年度第一回目のSBS入札でもアメリカ産が70%を占めた。セミナーでは10年にわたりカルローズを使ったメニュー開発に携わっている専門家も登壇、リゾットと様々なコメ料理にカルローズが向いているか日本米とカルローズの両方を使った調理の動画を紹介、参加した中食、外食企業からも質問が相次いだ。
 日本国内では飼料用米増産政策で主食用米需給がひっ迫、国産米の価格が高騰する中、カルローズへの関心が急速に高まっている。

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