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【森島 賢・正義派の農政論】目覚めよ、全共闘以後世代2019年9月9日

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【森島 賢】

 政府は来年の予算の目玉の1つに、就職氷河期世代の就職支援策を取り上げるようだ。これは、この前の参院選の直前に発表した骨太の方針の骨格の1つでもある。一応、歓迎すべきことである。
 数年前から、政府は労働者の賃上げを支援し、官製春闘と揶揄されているが、こんどは、労働者の就職支援までしようとしている。
 これは、政府が労働者の要求に応えた政策だろうか。そうではない。その一方で、労働法制を劣化させ、低賃金の非正規労働を放置し、拡大するなどして、賃金を低下させる政治を行っている。
 だから、これは、この前の参院選で示された中年層、若年層の政府与党への支持に対する、形ばかりの返礼のつもりなのだろう。

戦後の労働争議件数

 上のは、戦後の労働組合運動の状況と、賃上げの推移を示した。戦後70年ほどの間の労働者の状況を凝縮したものである。
 このをみると、労働組合運動は、終戦直後から70年代前半まで高揚した状況が続き、その後、衰退の状況に陥った。そして、いまや壊滅状態にある。
 また、賃上げをみると、90年ころから停滞し、それ以後、下がり続けている。
 ここに注目しよう。問題は、就職氷河期世代だけにあるのではない。




 さて、賃金はどのようにして決まるか。それは、労働力市場で決まる。労働力がどれほど逼迫しているかで決まるという。しかし、そうだろうか。
 をみると、賃金は終戦直後から10倍程度に上がっている。しかし、労働力市場が、それほどまでに逼迫したのだろうか。また、最近は労働力不足といわれているが、賃金は上がっていない。
 つまり、長い目でみるとき、賃金は労働力市場の逼迫の程度で決まっているわけではない。




 では、賃金は何で決まるか。それは、労働力の売り手である労働者の、高く売ろうとする意気込みの強さで決まる。その意気込みを結集したものが労働組合運動であり、賃上げのための労働争議である。
 その組合運動が、図で示したように、1990年ころを境にして、この30年間停滞している。だから賃金が上がらない。それゆえ、苦境にあるのは、就職氷河期の世代だけではない。




 世代の区分について、電子辞書のウィキペディアで整理したものがある。それを参考にすると、次の図のようになる。


戦後の日本の世代

 賃金が上がらなくなった1990年といえば、1969年までの全共闘世代が就職して20年経ち、40歳を過ぎて、組合運動の第一線から退くころである。そして、それに続くしらけ世代や、バブル世代が組合運動に関心を失ってしまっている。その後に続く就職氷河期世代も、組合運動から離れている。
 ここに、賃金の長期停滞の原因がある。就職氷河期世代だけでなく、しらけ世代、バブル世代、さとり世代をふくむ、全共闘世代以後の世代、いわばポスト全共闘世代の、組合運動からの離脱に原因がある。
 ここから脱出するには、官製春闘に頼るとか、官製の就職支援に依存するのではなく、全共闘以後世代が、組合運動を復活するしかない。




 組合運動の復活は、やがて低賃金構造を作り出した社会への関心へ向かっていくだろう。
 しかし、いま、ことに日本の若者の、社会へ向ける関心は極めて希薄である。それが、日本社会を沈滞させている。
 TVなどをみていると、韓国や香港などの若者の、社会に対する関心は極めて高い。彼らの主張に対する賛否は様々であるが、それが社会を活性化していることは確かである。
 それらと比較して、日本の若者はどうしたのだろうか。全共闘以後、いまに続く世代が日本の社会を活性化するしかないのである。
 (2019.09.09)


(前回 憂うべき若者の保守化

(前々回 万年野党からの脱出

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