米:農業倉庫火災盗難予防月間2017
農業倉庫火災盗難事故防止対策2017年11月20日
農業倉庫を運営する者は、農業倉庫における火災盗難事故を未然に防止し、保管管理の万全を期すため、次の事項を実施する。
Ⅰ.防災体制の確立
1.農業倉庫の防災体制を確立するとともに、災害時における役職員の行動規準を定める。
(1)事故発生時における通報を迅速に行なうため、非常時連絡先表を掲げるなどの連絡体制を整備しておく。
なお、火災事故発生時における初期消火に役立つよう、消火器取扱方法の徹底など平素の訓練に努める。
(2)農業倉庫の総括責任者、上級責任者、現場保管管理責任者および火元取締責任者を定め、各倉庫戸前にその氏名を掲示する。
また、当該責任者は相互の連絡を密にして事故防止対策の徹底をはかる。
(3) 農業倉庫の鍵の保管責任者を明確にするとともに、保管場所を特定し、厳格に管理する。
(4)警備規程を策定し、これにもとづき庫外・庫内の巡回などを行なう。
(5)本庫のみならず、支庫についても、宿直等にかわる常時監視体制の点検・整備を行う(第三者に本庫・支庫の警備を委託する場合も含む)。
2.消防署・警察署の協力を得て、防火・防犯の指導を受ける。
Ⅱ.施設の点検と整備
1.火災予防
(1)建 物
ア.農業倉庫周辺の建築物の構造・配置を防火上の見地から見直し、改善に努める。
イ.下屋の一部を事務所に利用する時は、火気取扱責任者を定め責任を明確にする。
ウ.ガソリン、灯油、LPガス等の燃料は、必ず所定の危険物貯蔵庫に格納するものとし、農業倉庫には置かないように関係者に徹底をはかる。
エ.農業倉庫構内の要所に火気使用禁止および禁煙の標識を掲示し、指定場所以外での火気の使用を禁止する。また、構内は禁煙とし、喫煙場所を設定する場合は、休憩所に水を張った吸殻入れを備え、特定する。
オ.農業倉庫内外の見回りを励行し、庫外の枯れ草・塵芥の吹きだまりは、必ず除去するなど、清掃に努める。また、倉庫周辺には木製パレットなど可燃物を置かない。
(2)電気設備
ア.電気の配線および警報器・電灯等の電気設備について、一般財団法人電気保安協会等による絶縁抵抗試験 (1年に1回) を受け、電気火災の発生を防止する。
イ.農業倉庫内には原則として裸電球を設置しない。やむを得ず設置する場合には必ず電球カバーを使用する。
ウ.断熱構造の低温倉庫等における天井の照明灯は吊下式とし、断熱材から隔離する。
(3)暖房設備
農業倉庫構内の建物において使用するストーブは、日本工業規格に合格した自動消火装置(耐震自動消火装置、ガスは立ち消え安全装置)付きのものとする。また、ストーブの下敷きには不燃性の資材を使用する。
(4)消火設備
ア.「簡易消火器具の農業倉庫設備における最低基準(別表)」にもとづき、消火器を設置する。なお、消火器は「国家検定合格品」を使用する。
イ.消火器の備え付け場所を明示する。
ウ.消火器の点検は、6ヶ月に一回以上行う。[消防庁告示第9号平16.5.31]
点検を行った結果を維持台帳に記録するとともに、3年に1回消防署長に報告しなければならない。[消防法17条3の3、消防法施行規則第31条の6]
エ.消火器の使用方法等に関する担当者の訓練を実施する。
オ.消火器の規格・点検内容が平成23年1月に改正され、旧型消火器の使用は平成33年12月末が期限とされたので、順次改正後の規格の消火器に交換する。
また、消火器の点検基準についても、蓄圧式消火器の内部及び機能点検開始時期を製造後3年から5年に改め(加圧式は従来通り製造後3年)、製造後10年を経過した消火器の耐圧性能点検が義務づけられたので、基準に沿って点検を実施する。[平22年総務省令第111号、平22年消防庁告示24号]
(5)危険通知
ア.ウレタン系、スチレン系など可燃性断熱材を使用した倉庫では、爆燃現象を引き起こす危険があるので、倉庫出入口に「可燃性断熱材使用」の旨を大書きで表示する。
イ.火災発生の際は、倉庫の出入口、天窓、地窓を密閉し初期消火に努めるとともに、速やかに関係機関に通報する。
2.盗難防止
(1)構内への侵入を防ぐため、周囲に塀を巡らす等により無用の者の出入りを排除する。
また、倉庫回りが荒れている場合、無人倉庫という印象を与え、犯罪を招きかねないことから、清掃・整理・整頓を徹底する。
(2)入出庫作業にともなう下屋・検査場所等における米麦の仮置きは、短時間に留める。
事情により、仮置きが翌日以降にわたる時は、厳重な警戒体制をとるものとする。
(3)本庫の戸は可能な限り二重戸とする。
扉の外側は鉄製または木製亜鉛板張りとし、難燃性の断熱材を使用する。
(4)錠前は可能な限り複数とりつけるものとし、うち一つは盗難予防効果の高い「隠し錠」または「落し錠」を使用する。
(5)施錠の確認は、確実に実施する。
(6)盗難の集団化に対処し、防犯ベルを設置する。
また、防犯ベルの作動状況を随時検査し、外部配線の露出部分を被覆する等により防犯設備の機能強化をはかる。
(7)農業倉庫構内の要所に、外灯を設置する。
(8)休日、深夜における農業倉庫の監視体制を点検・整備する。
とくにJA事務所から離れた支庫については、周到な防犯設備を装備するとともに、在庫品の早期出庫または本庫への集約化をはかる。
(9)保管台帳、荷渡指図書等を常に在庫品と照合する。定められた在庫品の棚卸数量確認に当たっては、必ず上級責任者も立ち合うものとする。
なお、米トレーサビリティ法により、米穀等の入出荷の記録を作成・保存(原則3年間)することが義務付けられていることに留意する。
(10)盗難事故発生の報告を受けた県本部等は、関係機関へ速やかに連絡するとともに、近隣のJAに通報し警戒を促す。
以上
※文中の別表は本文中段にある画像のことです。
(関連記事)
・平成29年度農業倉庫火災盗難予防月間の取り組みについて(17.11.20)
・農業倉庫火災盗難予防月間にあたって(17.11.20)
・火災盗難予防対策の確認を JA全農米穀部(17.11.20)
・経営トップから現場職員まで心を一つに 【現地ルポ・JAあおば八尾農業倉庫(富山県)】(17.11.17)
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