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円滑な人間関係をつくる ――職員力を高めるDiSC研修――2017年6月27日

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 農協でも企業でも、どんなに素晴らしい目標を設定しても、それを達成するためには、そこで働いている職員の個々の成長や意欲の向上が不可欠だといえる。そして、個々の能力を発揮させるためには、組織内での円滑なコミュニケーション=人間関係の構築が不可欠だといえる。
 農協協会では昨年からJA職員のコミュニケーション能力を高めることを支援する「DiSC」の研修事業を行っているが、昨年に引続きこの研修を実施しているJA水戸に取材した。

◆まず自分を知ることから

円滑な人間関係をつくる ――職員力を高めるDiSC研修―― 研修会の開会にあたってあいさつした八木岡努組合長は、「この研修で、自分を知り、相手を知ることは、自分の強みを知ることでもある」とし、そのことで「スキルアップして欲しい」と語った。
 八木岡組合長が指摘するように、職場内や外部の人とうまくコミュニケーションがとれないなど、人間関係でストレスを感じ悩んでいる人は多い。こうした悩みを解決するにはどうしたらいいのだろうか。
 農協協会が勧めている「DiSC」は、自分と異なる意見を持ったり、違う行動をする人を「間違っている」と否定したり、「善悪」で判断するのではなく、「人はそれぞれ違う」ということを認識し、いろいろなタイプの人に対して、適切なコミュニケーション・アプローチをするための知識と手法だ。
 そのためには、まず自分自身の行動や言動のパターンを理解することから始めなければならない。自分のことを知らなければ、他人の考えや行動を理解することはできないからだ。

◆円環図で直感的に理解

 円滑な人間関係をつくる ――職員力を高めるDiSC研修――すでに世界の多くのトップ企業や日本の企業で実施され、高く評価されている研修ツールなので、読者の中にも経験者が多くいると思うが、今年から「DiSC」はバージョンアップし「Eveything DiSCワークプレイス」となりより視覚的・直感的に理解しやすくなった。
 どう変わったかをJA水戸での事例から見ていきたいと思う。
 これまでの「DiSC Classic」では、研修会場で冊子に書かれた質問項目をチェックし、指示に従って自分で自分がどのタイプかを判断していた。しかし、新しい「Eveything DiSC」では、研修会場に来る前に、Web上で質問項目などに答えると、これまで世界中で実施されデータベース化されたデータなどを使って客観的に分析された個人個人の結果がアセスメントとして返され、自分がどのタイプかが事前に知らされる。
 しかも、これまでは折れ線グラフ(図左)で表記されていたが、今度は「円環マップ」(図右)に変わったことで、より直感的にDiSCスタイルを把握できる。そのことで、自分のタイプだけではなく、同僚たちとどのように付き合えばいいのか、職場を改善するにはどうしたらよいのか、自分の職場でさらに成功を収めるにはどうしたらいいかなどを、一目で理解できるようになった。
 そのため研修会場に入った時には、すでに自分のタイプが分かっているし、他の参加者のタイプも分かったうえでの研修となるので、同じ研修時間ならより深く研修することができる。

◆研修後に高まる評価

 今回の研修参加者は、JAの共済事業や信用事業で組合員や地域の人たちと接する25歳から30歳代の若手・中堅職員19名(男性9名、女性10名)。最初は、同じタイプの人同士にグループ化し5つ班に分かれて始まった。グループは研修のテーマが「異なるタイプの人とのコミュニケーション」に変わると席替えをするなど、固定せず適宜組み合わせを変え、さまざまなコミュニケーションのあり方を学べるのもこの研修の特徴だといえる。
 講師は、経験豊かな農協協会特別相談役でInnerbrain(株)代表取締役(前シンジェンタジャパン会長)の村田興文氏。笑顔を絶やさない優しい語り口で、研修参加者の心を開きながら、DiSCが「人々がその違いについて話し合うための共通言語として役立つ」こと、「重要なことはコミュニケーションの質であり、その質が組織の活動を左右することになる」など、「Eveything DiSC」の実践的な活用法を伝授していく。
 研修に先立って行ったアンケートを終了後と比べると、アセスメントへの「理解度」が、研修前の2.5から研修後には3.5に、「推奨する行動を現実に使えると思うか」では2.9から3.5に上昇した。
 村田氏はこの結果をみて「アセスメントは非常に客観的なデータに基づいて個人化されたものですが、クオリティの高いEveything DiSCの研修を通してさらに個人化されていく、そのプロセスが大事だということです」と話す。

  ◇  ◆

 確実に個人個人のコミュニケーション能力を高めていくDiSCは、すでに世界のトップ企業で高い評価を得ているが、農協協会では、これまでに蓄積されてきたノウハウを、農協の役職員の方々が研修し日常の仕事や活動のなかで活かしていただけるよう今後もサポートしていくことにしている。
 お問い合わせは、
(一社)農協協会JA改革支援対策室へ
電話:03-3639-1121
メール:disc@jacom.or.jp  まで。

(関連記事 JA改革支援対策室 農協協会が新設)

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