種子法を国民的課題に2018年1月22日
・新世紀JA研究会消費者交えセミナー
新世紀JA研究会(代表=八木岡努JA水戸組合長)は1月19日、東京都内で、「種子法の廃止と今後の対応」について、第15回の課題別セミナーを開いた。JA関係者のほか、生協の消費者など約90人が参加し、種子の問題は国民的課題として取り組むべきことを確認した。
日本の種子(たね)を守る会」の会長でもある、新世紀JA研究会の八木岡代表は「種子法が今年3月で廃止になって、生産者だけでなく、国民の食料にどのような影響あるか。さまざまな角度から検討し、生産者と消費者が課題を共有することが重要」と、議論を広げるよう呼びかけた。
セミナーでは元農水大臣の山田正彦氏が、種子法廃止の意図と背景で報告。特に種子法によって日本在来の穀物が守られてきたことを指摘し、都道府県が従来通り、原種、原原種栽培、管理を続ける必要性を強調した。また米国、カナダ、豪州、英国などでは、種子は公共品種として生産・認証されている実態から、「日本も欧米並みに公共品種を守る新たな法律が必要」と強調した。
種子法のもとで、実際に品種改良に取り組んできたJA茨城県中央会県域営農センターの糸賀秀徳副センター長は、種子法によって純度、発芽率が高く、充実した粒、病害のない健全な種子の供給を可能にしている実情を報告した。
また消費者サイドでパルシステム生協連合会前理事長・山本伸司氏が「消費者として看過できない種子法の廃止-食と農の協同組合間提携の重要性」で講演。特に種子法の廃止で、多国籍企業の種子産業への進出を押えるため、「国民、農協、生協、有機農家などとの連携で、フードシステムのあり方など、地域での協同のビジョンづくりが必要」と指摘した。
さらに(一社)シーズ・オブ・ライフ代表のジョン・ムーア氏が「種子(たね)から考える次の50年」で話した。同氏は、人間が生み出したF1種と遺伝子組み換え種子によるDNA操作は植物の多様性を75%も低下させているとして、「残された約25%の原種のDNAを次世代のために保護することで、新しい経済システムを構築する必要がある」と、原種の大切さを強調した。
(関連記事)
・種子法廃止に備えた「通知」の本質(17.11.30)
・種子法廃止「附帯決議」は気休めにもならない(17.10.05)
・「日本の種子(たね)を守る会」発足 「種子法」に代わる法律を(17.07.04)
・種子法廃止は消費者問題なのだ(17.04.10)
・【種子法廃止】種子の自給は農民の自立(17.03.30)
・(113)種子法廃止は大問題(17.03.11)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(130)-改正食料・農業・農村基本法(16)-2025年2月22日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(47)【防除学習帖】第286回2025年2月22日
-
農薬の正しい使い方(20)【今さら聞けない営農情報】第286回2025年2月22日
-
全76レシピ『JA全農さんと考えた 地味弁』宝島社から25日発売2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2025年2月21日
-
農林中金 新理事長に北林氏 4月1日新体制2025年2月21日
-
大分いちご果実品評会・即売会開催 大分県いちご販売強化対策協議会2025年2月21日
-
大分県内の大型量販店で「甘太くんロードショー」開催 JAおおいた2025年2月21日
-
JAいわて平泉産「いちごフェア」を開催 みのるダイニング2025年2月21日
-
JA新いわて産「寒じめほうれんそう」予約受付中 JAタウン「いわて純情セレクト」2025年2月21日
-
「あきたフレッシュ大使」募集中! あきた園芸戦略対策協議会2025年2月21日
-
「eat AKITA プロジェクト」キックオフイベントを開催 JA全農あきた2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付、6月26日付)2025年2月21日
-
農業の構造改革に貢献できる組織に 江藤農相が農中に期待2025年2月21日
-
米の過去最高値 目詰まりの証左 米自体は間違いなくある 江藤農相2025年2月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】有明海漁業の危機~既存漁家の排除ありき2025年2月21日
-
村・町に続く中小都市そして大都市の過疎(?)化【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第329回2025年2月21日
-
(423)訪日外国人の行動とコメ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年2月21日
-
【次期酪肉近論議】畜産部会、飼料自給へ 課題噴出戸数減で経営安定対策も不十分2025年2月21日
-
「消えた米21万トン」どこに フリマへの出品も物議 備蓄米放出で米価は2025年2月21日