学生が新鮮な発想を競う JA全中と日本大学2018年11月27日
・食・農・地域・JAで研究発表
JA全中は日本大学と連携し、大学生による食・農・地域・JA等に関する研究発表大会(アグリカルチャーコンペティション)を11月25日、東京都世田谷区の日本大学商学部で開いた。若者の食や農業等に対する関心を高めることが目的で、今回が2回目。全国9大学から27チームが参加。それぞれユニークな研究発表のなかから、海の資源を守るため消費者の当事者意識を養う「サステナゲーム」を考案した日本大学商学部の秋川卓也ゼミ「Team Sath-tena」(チームサステナ)が最優秀賞を、日本大学商学部の川野ゼミ「KAWANO野菜生活」が、都市農業の地産地消バスツアーで優秀賞を獲得した。
(写真)最優秀賞を受ける「チームサステナ」
このコンペティションは日本大学商学部会計学研究所の川野克典教授が、全国の大学に呼びかけたもの。JA全中で講師などを務めるなかで、「JAグループが農協のことを一方的にPRしても、学生にはなかなか受け入れられない。学生が自分で自ら考える機会をつくる必要がある」と考え、始めた。
参加した大学は、大半が商学、経済学、経営学のゼミや研究室の学生で、「日本酒の輸出拡大に寄与する企業行動の考察」、「JA東京中央中期計画に対する提案~若者への新しいアプローチ~」、「規制緩和による企業参入の推進は中山間地を救うか?」、「農業×フィンテック」、「JAおちいまばりの経営改善計画~日本一のJAを目指して~」など、今日的な問題意識が強く感じられる、具体的なテーマが多かった。 最優秀賞の「チームサステナ」は、水産資源や海洋環境に配慮して獲られた水産物であることを示す「MSC認証ラベル」を理解するためのゲームを開発。専門家がゲーム会社、自然保護団体などで100回以上のヒアリングを繰り返した。ゲームは4人で行い、MSC認証の魚と、ラベルのない魚を世界の海洋から購入し、先に15匹購入した人が勝ち。ただ一つでも海洋の魚を消滅させたら、全員ゲームオーバーとなる。
このゲームを体験した人のアンケートでは、ラベルのついていない魚が300円として、約30円高い価格で購入すると回答しており、「MSCの重要性を理解するツールとして有効」と結論づけた。ゲームを普及するためユーチューブやフェイスブック、ホームページなどで利用を呼びかけている。
優秀賞の「KAWANO野菜生活」は、「地産」と「地消」を1つのイベントとしてとらえ、東京都のJA東京あおばとコラボで都市農業振興バスツアーを実施。管理会計学で学んだ手法をもとにマトリックスで戦略マップを作成し、ブルーベリーの摘み取り、夏野菜収穫体験、野菜ピザづくり体験、直売所見学などを織り込んだ。また40社ものマスコミへ広報依頼しPRを徹底した。「練馬全体を回ることで都市農業の存在がよく分かる」と、バスツアーの意義を強調した。なお大会ではJA全青協の水野喜徳会長が農業者の使命とJA青年部の取り組みで講演した。
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