【貯金保険機構】目標額決め減額検討へ2018年12月20日
・新世紀JA研の要請で明らかに
新世紀JA研究会(代表=八木岡努JA水戸組合長)は、12月14日、先にJA東とくしまで開いた第25回の同研究会全国セミナーで採択した「大会アピール」の内容について、JA全国組織や党議員などに要請を行った。このなかで、貯金保険制度の掛金について、次の貯金保険機構の3月の運営委員会で積立金の目標を定め、それにそって掛金の減額も視野に入れた対応する方向で検討していることが分かった。
貯金保険制度(農水産業協同組合貯金保険制度)は、農協や漁協が貯金の払い戻しができなくなった場合などに、貯金者を保護し、また資金決済の確保をはかることで、信用秩序を維持することを目的とする。そのため各協同組合は保険料を積み立てている。
平成29年度末の保険料納付額は137億2900万円。納付している組合数はJAの658組合を含めて799である。これで保険料を計算すると、1組合当たり1718万円になる。規模の大きい組合は1億円を超すところもある。また、平成15年以降経営破綻の組合はなく、積立金は4143億円に達する。
新世紀JA研究会は、すでに十分な積み立てがなされており、その資金を農業振興に充てるべきだとして、全国セミナーごとに大会アピールとして採択し、関係団体や機関に訴えてきた。こうした働きかけなどから、今年の4月に自民党の農林水産業振興促進議員連盟ができ、貯金保険制度の見直しについて動き出した。
14日の農水省や農林中金などの要請のなかで、貯金保険制度は、民間金融機関を対象とした貯金保険機構と同じように積立金の目標額を定め、達成後、保険料の負担を軽減することなどを同機構の3月の運営委員会で協議する方針であることが明らかになった。この問題を提起した新世紀JA研究会名誉会長の萬代宣雄(元JAしまね組合長)は、「われわれはあくまで掛金の凍結を求めるが、議員連盟ができて農協に対する攻撃の流れが変わったように感じる」と評価する。なお、新世紀JA研究会は農水省、自民党、農林中金のほかJA全中・全農、JA共済連などに要請した。
(写真)吉田自民党参議院幹事長に要請する新世紀JA研究会(国会内の参議院自民党幹事長室で)
(関連記事)
・貯金保険機構が保険料検討へ 新世紀JA研究会の要請で(18.06.06)
・「むら」から農協創る 農家組合の協同強化へ(18.04.13)
・積立金4142億円に 農林水産業貯金保険機構(18.03.29)
・【インタビュー・竹下亘・「地域農林水産業」振興議連会長】「田舎」守る政治実現へ(18.03.29)
・役割果たした貯金保険機構【萬代宣雄・JAしまね前代表理事組合長】(18.03.15)
・「貯保」の積立金は十分 JAバンクシステムが機能【榎本浩巳・農林中央金庫JAバンク経営指導部長】(18.03.15)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日