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役割果たした貯金保険機構【萬代宣雄・JAしまね前代表理事組合長】2018年3月15日

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◆10年前から働きかけ

seri1803150701.jpg 10年以上前から、「貯金保険機構(農水産業貯金保険機構)」とJAバンク独自の制度である「JAバンク支援基金」の保険料率の引き下げ・凍結を、新世紀JA研究会を中心として、農水省や農林中金などに働きかけてきた。
 JAバンク支援基金については、関係者の理解、協力を得ることができ、平成21年度から0・015%であった負担金を凍結することができた。これによって、各JAの経費削減、ひいては全国の農業振興につながったのではないかと考えている。
 一方、農水省からは「預金保険機構とのバランスもあり、貯金保険機構だけ変えるわけにはいかない」と言われてきた。しかし、その後、預金保険機構は何度も保険料率を引き下げているが、貯金保険機構の保険料率は平成16年以降、動いていない。
 農水省は「金融環境の変化で、これから何があるか分からないので、農協グループはまだ不足だ」と言っている。たしかに一つや二つ、経営が危ない農協はある。しかし、そのために積立てしているのであって、これまでもいくつかの経営破綻した農協を支援し、立派にその役割を果たしてきた。そのための積立金は、もう十分あるとみている。

(写真)萬代宣雄・JAしまね前代表理事組合長

 

◆目標がない積立金

 そもそも積立金の目標がないことが問題である。預金保険機構は平成27年度から、33年度までに5兆円の積立て目標を定めている。この目標額については預金保険機構において、米国、EUの目標水準と比較した上で、「我が国の実情を踏まえた全体としてバランスのとれたものであり、海外との比較でも遜色無いと評価できる」とされている。銀行など一般の金融機関は、約1000兆円の預貯金量を持つので、これを系統の貯金額100兆円に当てはめると目標額は5000億円に相当する。
 貯金保険機構の現状は、28年度末で、貯金保険機構の積立金約4000億円のほかに、JAバンク支援基金が1700億円あり、系統セーフネットを合わせると約5700億円になる。また、これに加え、各県の相互援助積立金とJFマリンバンク支援基金があり、預金保険機構の目標に相当する水準を十分クリアしている。
 農水省は、「JAは将来、なにが起こるか分からないから」と言うが、それは銀行も同じことだ。また貯金保険機構とJAバンク支援基金、各県の相互援助積立金は別物だという意見もあるが、貯金者保護という積立てている目的が同じである以上は、これら全ての合計額で考えるべきである。
 積立てが多いことに越したことはない。しかし、問題はどこまで積立てたらいいのかである。その目標がない。農水省は、目標も示さず「危ない、危ない」と言っているだけで、納得できない。これでは農協いじめとしかみえない。農協いじめは、つまり農家いじめだ。

 

◆農協改革にも関連か

 われわれが保険料率の引き下げ、あるいは積立ての凍結を主張すると、農水省は、貯金保険機構より預金保険機構の保険料率が高いことを挙げる。積立金の推移を見ても分かるが、預金保険機構は北海道拓殖銀行や日本長期信用銀行の支援で平成21年まではマイナスだったのだから、保険料率は高くせざるをえないのは当たり前。それをもって預金保険機構は保険料が高いからというのは、説明にならない。
 そこで農協改革への関わりが疑われる。信用・共済事業を分離するため、低金利での収益減少が見込まれる中で、JAに保険料負担を継続させて、信用事業の代理店化を進めようとしているのではないか。農水省は、手数料でやらざるを得ないようにJAを追い込んでいるのではないかと考えてしまう。
 保険料の150億円があると、JAの経営に余裕ができる。この額は大きい。1兆円の貯金があるJAでは1億5000万円。これを農家の営農支援に回し、農協改革の目標である農家所得の増大につなげることもできるではないか。各JAがこの保険料を、「農業者の所得増大」、「農業生産の拡大」、まさに今、国が求めていることに回すべきだと考えている。

 

◆大きい150億円の負担

 このことは相当前から問題提起しているが、農協グループのなかには、いまひとつ認識されていなかったように感じる。苦しい経営のなかから150億円保険料を出しているのに、保険料を税金の一つくらいにみて、その存在さえ知らない役員もいる。
 それでも最近は、農協グループでも少しは認識されてきたように感じている。新世紀JA研究会などを通じて、国会議員にも要請しているが、この件の現状について理解を示していただける議員も増えており、議員連盟をつくって働きかけようという雰囲気も出てきている。
 是非、全中や農林中金の役員にも理解、協力をいただき、保険料の凍結を実現したい。この活動がJAグループの自己改革や農協運動の一層の盛り上がりにつながることを期待する。

※このページ「紙上セミナー」は新世紀JA研究会の責任で編集しています。

 

新世紀JA研究会のこれまでの活動をテーマごとにまとめていますぜひご覧下さい。

 

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