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「スピードをあげ、急速に変化する情勢に対応する」-JA全農 山﨑新理事長2019年7月29日

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 7月26日に就任したJA全農の山﨑新理事長は同日の記者会見で「5年後、10年後を見据え、その先にレールをつなぎ全速力で走り続ける」などを語った。また、専務理事に就任した野口、桑田両専務も抱負を語った。

記者会見する新理事長と専務(左から、桑田専務、山﨑理事長、長澤会長、野口専務)記者会見する新理事長と専務(左から、桑田専務、山﨑理事長、長澤会長、野口専務)

 

 山﨑理事長はこれまでの改革について一定に評価されているものの、「自己改革に終わりはなく今後もさらに進化、深化させる取り組みを進める」と語った。
 今年度は初年度となる新3か年計画の柱は
▽作物別・品目別戦略策定による農業総産出額の計画的・段階的な拡大
▽マーケットニーズをふまえた販売戦略の構築
▽元気な地域づくりへの支援
▽急変する海外動向に対応した新たな海外戦略の構築。
 このなかでもとくに農業産出額の拡大に向けて生産性を向上させるICTなどの活用と不足する農業労働力の支援を掲げている。
 キャッチフレーズは「全力結集で挑戦し未来を創る」。
 山﨑理事長は「リレーにたとえればトップスピードでバトンを渡された。さらにスピードを上げていくのがわれわれの役割。すべては組合員のために、そして消費者、国民のためにという基本姿勢のもと、急速に変化する生産、流通、消費構造や海外情勢に対応するため5年後、10年後を見据え取り組みを展開する」と強調した。
 具体的な事業では農業生産基盤の強化に向け、農家子弟への事業承継の取り組みや、労働力支援、農福、農泊などに「地道に取り組みたい」とした。
 また、これまでの自己改革の取り組みのなかで肥料の銘柄集約や農機の新たな開発などは「(農家組合員が)結集すれば価格が下がり自分の声が届くということを実感していると思う。(自己改革を通じて)農協ということの意味をまさに伝えてきている。今後も続けていきたい」と話した。
 購買事業と管理部門を担当する野口専務はICTなど新技術を活用してトータルコストの低減をさらに加速させるとともに、物流改革などによるJAの支援についても「県別にどのような支援を行うか、発展させていきたい」などと語った。
 販売事業と輸出部門を担当する桑田専務は「全農らしく生産の現場から消費まで一気通貫の事業となるような事業」をめざすとして生産現場に提案できるMD部会(商品開発)の加速化、輸出専用産地の育成などを強調した。
 総代会では、農産物価格が低迷しているなか、農家の所得向上のためには「量販店で運賃を負担してもらう仕組みを提起できないか」との意見が出て、神出理事長は「具体化を検討したい」と回答した。山﨑新理事長は4月の機構改革で物流対策課を新設し大分県ですでに始まった県内の物流集約化の取り組みを広げるとともに、基本は「農産物の価格形成のあり方の問題。再生産可能な価格をどう確保するかを考えなければならない」と強調した。
(この記事内容は、26日掲載の速報記事と一部重複している部分があります)

 

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