Z-GIS・新機能やシステム連携も追加 JA全農が県域担当者TV研修会2019年8月7日
営農管理システム「Z-GIS」の普及を進めるJA全農耕種総合対策部スマート農業推進室は8月6日、東京・大手町のJAビルで経済連、県本部の担当者に向けた「Z-GIS県域担当者TV研修会」を行った。
東京大手町のJAビルで行われたZ-GISの県域担当者TV研修会
JA全農は、自己改革の取り組みの一環として、今後はデジタル技術の活用によるスマート農業の推進や人材育成を鍵と位置付けている。全農にパラダイムシフトが求められるなか、耕種事業におけるスマート農業推進の中心に位置づけられているのがZ-GISだ。
同推進室の平野幸教室長は、「昨年4月26日の運営開始から順調に会員数を伸ばし、1年と少しで総ダウンロード数は1万に届こうとしている。本所では、今年からスマート農業推進室へと部署が変わっただけでなく、県域が中心となり、Z-GISの普及推進は新しいステージに入った」と話し、「普及・推進状況と推進資材について」「新機能について」「今後の進め方について」の3項目について各担当者が説明した。
Z-GISの会員数は7月24日現在、300件でダウンロード数は9668件。地域別では近畿・東海・北陸が32%で最も多く、以下、東北(19%)、関東・信越(17%)、中四国(15%)と続く。
利用者別の割合は、農家・法人が83%と大半で、JA・協議会が17%。主要作物別の割合は水稲が87%で大半を占めた。
同推進室の渡邊亮司氏は、「水稲がメインで使うイメージがあるが、エクセルで何でも入力できる。汎用性が高いシステムなので野菜、大豆、そばなどいろいろと使うことができる」と話した。
同推進室が講師を務める県別研修会は、7月24日現在で、ホクレンなど経済連や各県本部など16県域で実施。また、推進資材については、ポスター、バックボードタペストリーやのぼり旗などを作成。漫画やイラスト、画像を多用しわかりやすい導入ガイドを作成して普及に努めるという。
新機能については、気象庁の気象データをもとにした1キロメッシュ気象情報を追加。該当エリアの24時間の3時間ごと、1週間の天気予報を表示する。風向や風速などもわかり、農薬散布など風の影響を受けやすい作業日の選定などに役立つ。また、気温の日平均を加算した「積算気温」がわかり、出穂から収穫時期などの目安に使える。
また、クラウド上で誰かがデータを開いている場合は、上書きできない機能やポリゴン作成が高速化できる機能など新たに10種の機能が加わり、より操作が楽になった。
さらに、農林水産省が実施する耕地面積調査等の母集団情報として、衛星画像等をもとに筆ごとの形状に沿って作成した農地の区画情報である筆ポリゴンを活用した新たな機能も追加した。
改良の最新情報としては、要望の高かった補助図形の種類を追加。同推進室の大武勇氏は、「水門、もぐら、トラクターなど要望の高いアイコンを9月を目標に追加し、任意でオリジナルのアイコンも作れる」と説明した。
今後の展開としては、他のシステムとの連携も予定され、収量コンバイン、作物のセンシングデータ、土壌診断データ、農業の作業ログ、他の営農管理システムとも連携する。衛星を活用したリモートセンシングとの連携サービスと組合員、農協、全農と異なるID間でデータを共有する情報共有機能は来春リリース予定。
同推進室の小宮山鉄兵氏は、「ICT農業と呼ばれるデータを活用することと、ドローンやロボットに代表されるロボティクス技術を合わせたものがスマート農業。さまざまなデータをZ-GISでプラットフォーム化して集中管理することを描いている」と説明。さらに、「TACの皆さんには担い手がほ場で効率的な営農管理を進めるためにZ-GISをすすめていただきたい。それをJA側はほ場管理台帳として整備し、事業に活用するためのデータベースを作っていただきたい」と話し、Z-GISの普及拡大を呼びかけた。
(関連記事)
・Z-GIS 農業の戦略づくりに不可欠(19.03.18)
・全農 Z-GIS、アピネス/アグリインフォの機能強化を発表(19.4.19)
・過疎地の農業救う Z-GISで圃場管理 熊本・JA本渡五和(19.4.19)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日