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JAの活動:JA全中 営農担い手支援事業特集

【第3回JA営農・経済フォーラム】中日本地区・実践事例報告2017年10月2日

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 大阪市で9月4日に行われた中日本地区のフォーラムではJA花咲ふくい(福井)、JA伊勢(三重)、JAおうみ冨士(滋賀)が実践報告を行った。宮城大学の川村教授は基調講演でJAの販売事業では准組合員の共感を得るマーケティングも大切ではないかと指摘した。

販売高 100億円めざす
JA花咲ふくい 小寺 洋一 代表理事専務

小寺洋一・JA花咲ふくい代表理事専務 全国で唯一、JAが運営する試験研究と営農指導員育成の場として開設120年の歴史を持つ「坂井農場」を持つ。毎年、組合員に参観デーを開く。
 選ばれる米づくりをめざし全農家のエコファーマー推進、直播の実施などに取り組んできた。最近ではトップブランドづくりに向け環境調和型農業に取り組み、緑肥栽培の「花あかり」の推進と、ポストこしひかりとして「いちほまれ」も誕生した。JAとしては直播種子のカルパーコーティングプラントを設置するなどの総合育苗施設の建設・再編を進めている。
 一方、県産大豆は単収全国一で六条大麦の生産量日本一など転作にも力を入れ所得向上を図ってきた。また、メロン、梨、大根、スイカで販売高1億円を達成し、さらにニンジン、ネギなどに品目を拡大していく。そのために5つの選果場を統合したり新たな洗浄・選別施設も導入したりした。
 丘陵地では大根、キャベツなど収益性の高い品目で加工・業務用野菜に取り組んでいる。企業の農業法人も参入しているが、JAへ出荷し雇用の確保にもつながっている。生産者が商談に参加することで自覚が生まれ、資材の共同購入などでコスト低減も実現している。
 販路の拡大ではファーマーズマーケットの設置のほか、他JAや県民生協との連携を実践している。マーケティング重視の販売戦略で販売高100億円をめざす。

(写真)小寺洋一・JA花咲ふくい代表理事専務

地に足つけ総合事業展開
JA伊勢 前田 政吉 常務理事

前田政吉 ・JA伊勢常務理事 農協法改正は21世紀に貢献できるJAづくりへのチャンスだと考えている。多様な農業があってこそ地域農業は健全なかたちで守られることは身をもって知っている。一時的なことだけにとらわれないで地に足をつけて総合展開していく。めざすは地域農業の最適化(多様化・多彩化)であり、そのために共感する仲間とともに行動する。
 その「ともに」を基本に人づくり・組織づくり、土づくり、販路づくりなど6つの営農振興方針を打ち出した。
 農業者のいない営農振興はありえず、零細農家から集落営農、法人までの多様な人、組織づくりが必要だ。具体的には小規模農家育成に向けた野菜塾の強化がある。また、子会社の農業法人で新規就農者の育成にも取り組んでいる。
 土づくりでは管内全域で水稲作の土壌分析を無償で実施している。規格外品を活用した加工品の開発や、企業や大学と連携した商品開発や販売企画にも取り組んでいる。
 自己改革の実践に向けた体制整備では29年度から営農自己改革推進室を設置し高度な営農相談が可能な農業経営アドバイザーを配置している。自己改革を実践していくのは人財であり、過去の枠組みを踏襲しない人材が求められている。
 このなかで営農指導とは何かが問われている。「指導」は上から目線ではないか。「営農相談」がともにあるべき姿だと考えている。

(写真)前田政吉 ・JA伊勢常務理事

特産品加工と交流で所得増
JAおうみ冨士 木村 義典 代表理事専務

木村義典・JAおうみ冨士代表理事専務 販売収入拡大策として、もち麦の生産拡大、多収品種「やまだわら」の契約栽培、集落営農の所得向上のための高級和菓子用小豆の栽培、農閑期の所得向上策としての「近江のキャベツ」の取り組みなどを推進している。 コスト低減・省力化の取り組みでは低コスト肥料の開発、水稲密苗、米のフレコン集・出荷の拡大などのほか、ICTを活用した営農指導と栽培履歴記帳などにも取り組んでいる。
 農産物加工では地元産米の炊飯事業による学校給食、病院、企業への供給、小売用パッキング施設からの直売所、インショップへの販売や味噌やジャムなど加工も展開している。それらが販路の確保と拡大、水田野菜の普及、地域創生などにつながり農業所得の向上をめざす。
 ファーマーズマーケット(FM)による自己改革にも取り組んでいく。FMをきっかけに農業体験希望者を「青空フィットネスクラブ」として組織。そこから援農隊も生まれている。そのほか生協との協同による県産農産物の普及、加工品開発、行政と連携した都市農村交流事業にも積極的に参加している。
 訪日観光客の増加の影響はFMにも及び、外国人の訪問、視察も増えており、今後、食と農に特化した交流と体験を軸に受け入れ体制の強化に乗り出した。
 FMに「作る・食べる・繋げる」、そして「招く」を加えて地域農業を活性化したい。

(写真)木村義典・JAおうみ冨士代表理事専務

基調講演 Ⅱ
多様化するニーズに応える
宮城大学食産業学群 川村 保 教授

川村保 ・宮城大学食産業学群教授 消費者は、一枚岩ではなく柔軟な目で見ることが必要だ。高級品、普及品、加工向けのいずれもニーズがある。問題はそれを適切に捉えているか。また新規市場開拓も重要になる。
 農業は生産資材、食材生産、加工など各段階が分割されているが、全体を知り全体に関われる者が総合的な優位性を発揮できる。こうしたバリューチェーンづくりの枠組みで考えるとJAはその全過程に関わりを持つ。自らの有利性をJAは理解しているだろうか。
 JAは農地と地域の情報、技術と市場の情報、組合員や職員などの人材、選果場などの施設を持っており、農業・農村のプロフェッショナルとしてこれらのコーディネーターである。それをベースに戦略的思考をしてほしい。
 今後の方向のひとつとして消費者が自己実現できるマーケティングがある。そのためには顧客が生産に参画する機会が重要になる。JAに共感し参画してくれるパートナーが大切でその意味では消費者一般よりも准組合員にもっと注目してよいのではないか。期待するものがあるから出資者となっているのだから。
 安全・安心、食育、環境などは非農業者にとっても関心があり、共感できるキーワードだ。准組合員にJAの活動に参加してもらうことにも積極的に取り組むべきだろう。
 JAの優良事例から学ぶことは多いが、それが成功した論理=ロジックを学ぶべきだ。
 たとえば、企業的経営と小規模農家が併存している地域で「平等から公平へ」転換することで生産振興につながった。組合員とJA職員の相互信頼のもとで複数共計や規模別料金体系などを実現したなどだ。 あるいは競合者がいないブルーオーシャン市場を狙って成功した事例もある。黄金のルールはなく正攻法が大事だろう。

(写真)川村保 ・宮城大学食産業学群教授

【第3回JA営農・経済フォーラム】自己改革の「見える化」を(17.10.02)

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